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■20 みんな燐が好きだといいと思う
(メフィ→燐←雪会話)

「Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!」

「おい、いきなり何言ってんだよ、このピエロ野郎。訳わかんねーよ、日本語喋れ。せめて何語だ教えろ」

「日本でいやに有名な歓喜の歌ですよ、そのくらい勉強なさい。…おやおや奥村先生、そんなに怖い顔で私を睨まなくてもいいでしょう!」

「…何しにいらしたんですかフェレス卿…あなたの登場は予想がつきませんでした(クソッ、今まで一回も出てこなかったから油断した…ホント何しに来たんだ一体)」

「もちろん遊びにですよ、ネッ☆こんなにクーヘン(※菓子・ケーキ類)も持ってきてあげましたよ、さぁ今からお茶会です!」

「うぉおおお!?うまそう!これ食っていいの、ねえ、食っていいのかコラ答えろ!!」

「やめて兄さん落ち着いてお願い。…知らない人から何かもらっちゃダメだってとうさんに教わっただろ」

「おほほやおや先生!私は知らない人ではありませんよ!藤本神父の友人かつあなたたちの後見人ですよ…って銃に手を掛けるのはおやめなさい無駄です」

「(ちっ)…兄さんに餌付けしてどうしようっていうんです」

「餌付け?何の話ですか?私はただ可愛い末の弟においし〜いクーヘンを…あれこの箱、空…(クソッ、アマイモンの奴また勝手に人の菓子を!!)」

「やべー!うめえええこれ!半端ねええええ」

(菓子を本能のまま貪り食う燐)

「兄さんうるさい黙ってお願い。…フェレス卿、お菓子ありがとうございますあとは勝手に食べますからもういいです用事ないならどうかお帰りいただけますかっていうか帰れ。兄さんの兄弟は僕一人で充分」

「…うわ完全拒否かつ句読点のない棒読みですね。まぁいいです、私は実はコレを奥村くんに渡しにきただけなのですよ」

「鍵…なんか兄さんに渡してどうするんですか」

「コレは私のプライベートルームに直通の…あっヤベ、超口すべった☆…いや、…鍵?に見えるお菓子?です?はい」

「(この野郎!なんという無理やりな…!どう見たって金属製だろうが!)あっ、兄さん、簡単に受け取っちゃダメだろっ」

「へ、だって“鍵は大事にしろ”って言ったの雪男じゃん」

「それとこれとは別!とにかくそれ、僕に渡してっ」

「こらこら先生、あの鍵は奥村くんに、と言ったでしょう」

「なーメフィスト、また犬になって」

「うわ、何言い出すんだ兄さん、このバカッ」

「eins・zwei・ drei☆」

(犬に変身するメフィスト)

「さぁ抱っこするなりモフモフするなりお好きに!奥村くん!」

「うおおお、相変わらず可愛いな犬メフィスト…うわー毛艶いいなー」

「に、い、さ、ん!!何サラッと抱いてんの!?クソッ、降りろ、兄さんの膝から降りろこの…」

(しかし雪男の腕を噛む犬メフィスト)

「フ…このくらいで取り乱すとは。まだまだ子供ですな…先生」

「犬畜生に言われたくありません」

「…なんだよ?雪男とメフィストって仲悪いの?さっきからさぁ。…雪男、これ(メフィストに菓子だと言われた鍵)でも食ったら」

「いらねーよ!…いや、あ、いる、いるよ兄さん!早くそれこっちに寄越して」

「うぐあああ!?私のプライベートルーム直通の秘密の鍵をうまく奥村くんに渡せたと思ったらあっさり邪魔な弟先生のほうに奪われた!しかも捨てられた!」

雪男:「Jetzt aber raus hier!(ここから出て行け)」

メフィ:「…Wie bitte?(なんとおっしゃいましたか?)」

雪男:「Verschwinde endlich,komm(とっとと消えろ)」

メフィ:「どこでそんな言葉を覚えてきたんですか!そんな事言われてもまた来ますからね!」

雪男:「来ないでください」

メフィ:「なんと冷たいことか!次もクーヘンをドッサリ用意致しましょう☆奥村くんの口に合うものをネ…!しかし今日はこの辺でお暇しますよ…Wir werden uns wiedersehen☆(またお会いしましょう)」

「クソッ、もう来なければいいのに…!」

「…???…なぁ、雪男とあいつ、さっきから何話してたんだよ。わかんねんだけど。それよりあいつの持ってきてくれた菓子超美味くね。ほれ、お前も食ったら?特にこのりんご?の入ったパイみたいなやつ?とか、サクランボの入ったケーキがウマ…」

「…Dass du ja still bist(静かにしろよ)」


<適当に引っかかったドイツ語を無理やり使ったので、実際に合ってるかどうかは知りませんごめんなさい、雰囲気だけでも。終わり>



Seid umschlungen, Millionen! Diesen Kuß der ganzen Welt!
抱き合うがいい、幾百万の人々よ! この口付けを全世界に贈ろう!

フリードリヒ・フォン・シラー
ベートーベン交響曲第九番「合唱つき」(喜びの歌)の原詞より


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