■16-3
んもーあついんだけどー
雪燐
「う〜…あちいよお…なんでこの寮クーラーねーんだよ〜新館はクーラー効いてんだろ〜おまえメフィストに直談判してこいよお」
「暑いね。でも扇風機で乗り切れるよ。我慢して。……ていうかさ………くっつかれてる僕の方が暑いんですけど……」
「………だってくっつきたかったんだもん」
「暑いって」
「やだ…やーだー!!俺は!こうして!!たいの!!!」
「なんなの…意味がわからないよ」
「ぺろぺろ」
「ギャーッ!!!」
「おっ、雪男の首しょっぺー!汗しょっぺー!」
「こンの…!舐めるなよ!!」
「なんで?いーじゃん。お前もよく俺の首舐め…」
「黙れ!!!」
「ちぇ。…なー、冷凍庫にとってあるゴリゴリ君食べねえ?」
「僕はいらない。兄さん一人で食べててよ。…ていうか、僕仕事してるんだから邪魔しないで」
「邪魔してねーよ。背中にくっついてるだけだ」
「それが邪魔してるって言うんだけど」
「じゃーさ、こうしようぜ!お前の仕事が一個片付いたら俺とゴリゴリ君食べる。二個目片付いたら俺とちゅーする。三個目片付いたら俺と昼寝しようぜ」
「…なにそれ。僕に何のメリットも無い。兄さんが楽しいだけだろ!」
「なんだとー!!オメーよく考えてみろ!!嬉しいイベントばっかりじゃねーか!ゴリゴリ君を俺とお前でぺろぺろ!ちゅーはし放題!!昼寝したらいちゃいちゃできるんだぞ!!」
「自分で言うなよ」
「おめーの食いつきがわりーからしょうがなく俺が自己申告しました!!どうなの!!何が気にいらねーんだよ!!もっと大胆な事しろっていうのか!!」
「いっ、言ってない!!別になにもしなくていい!!」
「あっ、想像した?」
「してない!」
「なぁ想像した?なに想像した?えろいこと想像した?」
「してないって言ってるだろ!!にやにやするな!!…やめろ!つっつくな!!」
「いいじゃんかよおお!!あちいんだよ!!あちいとこう…むらむらすんだよ!!わかれよ!!」
「バッ…バカなの!?何言ってるの昼間から!!」
「じゃあ夜だったらいいのかよ」
「そういうことじゃない!!」
「もうダメなんだよ!!俺の中の悪魔が暴れだそうとしてんだよお!!」
「意味がわからない!!」
「はぁはぁ…暑いとこう、汗の匂い強いよな…」
「やめろ!!嗅ぐな!!!」
「うう…雪男のにおいたまらん」
「やめろって!!」
「恥ずかしがるなって」
「ギャーッ!!抱き上げるな!!何する気だよ!!」
「え?もう俺我慢できないからお前を寝台に連れ込もうと」
「バカ言うなー!!普通逆だろ!!」
「………」
「……えっ?」
「……逆ってことはさぁ、こうするのは普通おまえってことだよな」
「……え」
「じゃあおまえ、俺の事こうやって抱き上げてベッド連れてってくれんの」
「……え」
「そういうことだよな。やって」
「……えっ!?」
「ほら、下ろしてやるから。やって」
「……いや、ちょっと待って。逆だとは言ったけど、僕がやるとは言ってない」
「は…?今更何言ってんだよ?こっちは準備万端なんだよ。もう抱っこされる気満々なんだよ!やれよ!!」
「やんないって言ってるだろ!?」
「つべこべうるせーぞメガネ野郎!!割るぞ!!お兄様がやれっつったらやるんだよ!!ホラ!!」
「………」
「むふふん。いい気分」
「なにそれ…兄さん重い」
「あっそう。俺女子じゃねーからそんなこと言われても別に気にしねーし」
「兄さん肉かたい」
「そりゃそうだろ。男だもん」
「……汗くさい」
「お前もな。いーからベッド行けよ。んで一緒に寝ろ」
「…なんなの…なんでそんなわがまま言うの?仕事の邪魔ばっかりしてさぁ…暑いって言ってるのにべたべたしてきたり抱っこしろとか言ってきたりなんなの。意味わかんない。ほんと兄さん理解できない」
「…とか言いつつ手が服の中入ってるんですけど」
「……ちょっとくらい触ってもいいだろ」
「たくさん触って良いけど?」
「そんなことしたらこの後仕事どころじゃなくなるだろ…」
「仕事どころじゃなくしたい」
「黙って。なんでそう、兄さんには理性ってものがないの?いつも本能だけで動いてるだろ。もっと頭使ってよ」
「おめーが理性でガチガチすぎるんだろうが。だから老けて見えるんだよこのメガネ。あっちーんだからちょっとくらい頭のネジゆるめろ」
「ゆるゆるの兄さんに言われたくない」
「ゆるゆるでけっこー。ほらっ、こっち来い」
「……暑いって言ってるのに…」
「いーから腕回せ!!」
「………はぁ」
「はい、30分仮眠!わかったか」
「はいはい」
「ちょっと仮眠とったほうが仕事はかどるぞ」
「はぁ。…結局兄さんのペースなんだからな…」
<そうして二人は結局一緒にお昼寝するのはいつものことだ…毎回こんなん>