■94 2012年年明け!
雪燐(前回の続き)
「あーもー!おめーのせいで知らねー間に年明けちゃってたじゃん!もう1時間も過ぎてる!」
「ん、そうみたいだね」
「なにしれっとしてんだよ!!」
「え、何か問題でもある?」
「大有りだ!!その、…タイミング逃しちゃったじゃねーか!」
「…なんの?」
「……年が明けた瞬間に言おうと思ってたのに。……おめでとう、っていいそびれた」
「え?」
「だから!あけまして、おめでとうだっつーの!!」
「…うん、おめでとう、兄さん」
「こ、今年も、…よろしくな」
「うん、こちらこそ。…ああ、新年から兄さんは可愛いな」
「かっ…可愛いとか言ってんな」
「だって本当のことじゃない。…ああ、もっとキスしてたい」
「バッ、おま、もういいだろ!?流石にもういいだろ!?かれこれ1時間以上ちゅーしたり、その後はベタベタしまくってたじゃねーか!」
「……いやなの?」
「う、そんな顔すんなっ、俺がお前のそういう顔に弱いって知ってるくせに、…卑怯だぞ…!」
「そんな兄さんも好きだよ。…ね、改めてちゃんとした今年最初のキスさせて?」
「……っ」
「お願い、あと一回だけ」
「…そ、そこまで言うなら、させてやらんでもない」
「ありがと。…ちゅっ」
「………ん、このあと初詣なんだから、ホントにこれで終わりな」
「………」
「な、なんだよその目…」
「寒いし……初詣、朝になってからにしない?」
「はぁ!?」
「もうちょっと…兄さんとこうしていたいな…」
「んなっ、何甘えたこと言ってんだ!充分くっついてただろーが!!」
「だめ?」
「初詣行こうっつったのお前だろ!!」
「そうだけど。でも、僕はこうして兄さんを抱きしめてる事のほうが大事」
「〜〜〜〜っっ!!」
「わ、顔真っ赤だよ」
「うるせー!見るなっ!!」
「ああもう、ホントにかわいいな…。ねぇ、本当に襲っちゃだめかな…」
「はぁ!?…だ、ダメだ、ダメだぞっ!!朝ちゃんと起きて初詣行くんだから!!」
「別に元旦にしなきゃいけないわけじゃないだろ。…ね?大丈夫、無理させないし」
「………っ、だから…っ、その上目遣いやめろ…!」
「(あともう一押しかな…!)ね、…お願い。兄さん…」
「……うううううっ、……だ、だめ……」
「強情だな…」
「ひ!?」
「もう我慢できない。襲うから。このままここで襲うから」
「えええええ!!ちょ、待て、落ち着け!!」
「僕は冷静だよ。元旦なんだからハメ外して行きます」
「冷静とか言いながら目がちょう獰猛なんだけど!!完全に獣の目なんだけど!?ハメ外す方向間違えてねえか!?」
「さぁ、大人しくして。じゃなきゃ酷くする」
「ああああー!!!!!!!」
*
「…………にいさん」
「………」
「にーいさーん」
「………」
「兄さんってば」
「………」
「ねえ、すねないでよ。…結局何もしなかったでしょ」
「…うるさいバカメガネ」
「からかったの、ごめんってば。…ね、機嫌直してよ…」
「いやだ」
「ね、こっちむいて…ちゅっ」
「…やめろよ…」
「ちゅっ、…ちゅっ」
「や、やめろっ、くすぐってぇ…!!」
「ちゅ。………ほら、こっち向いて。………本気では怒ってないよね、その顔」
「………バカめがね」
「うん。ごめんね。……ね、今度こそちゃんと初詣行こうか」
「…………ん」
「一緒に初詣して、…そのあとお雑煮一緒に食べるんでしょ?」
「………うん」
「さ、準備しよう。もう何もしないから。ね」
「……ばか。雪男のばか…」
「ごめんってば…。…ちゅっ」
「……今年もそうやってお前にいいようにされるんだろうな」
「何その言い方。僕そんな無理強いばっかりした覚えないけど…」
「べつに、…それがイヤってわけじゃねーけど」
「……え」
「だからっ!…俺は、結局雪男が何しても許すし……雪男の好きなようにしてくれりゃいいっつってんの!!」
「ま、またそんな僕の理性を崩れさせるような事を…!」
「ただし、さっきみたいな無理やりとかはダメだからな!!」
「うん、わかってる…ちゅっ」
「むっ、…そんな何回もちゅーばっかすんなっ」
「だって兄さんがあんまり可愛くて…」
「バ、バカ!…恥ずかしい事ばっか言いやがって…!………初詣行く前にもう一回ぎゅってしろっ」
「うん、いくらでも」ぎゅーっ
「………なんか、俺もこのままぎゅってしててもらいたくなった。…あったけーし」
「え?」
「気が変わった」
「……えっ、えっ!?」
「……もうちょっと、ちゅーしててやってもいいぞ」
「兄さん…!!」
「すんのか、しねーのかっ」
「するよ。もっと兄さんの事、ぎゅーってして、何回もキスする…」
「………ん」
そして結局初詣は朝になってからになりました
<いちゃいちゃで年明け!>
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