なんだろう、関係がひどくぎくしゃくしてるって言うのかな。兄さんの表情からは相変わらずなにも察する事ができないし、その隣に座ってる人、九十九遊馬からは明らかな困惑しか窺い知れない。

(……へんなの)

 もう既に溶け始めてしまったメロンクリームソーダのバニラアイスを突っついて少し居心地の悪い時間をやりすごそうとはしてみるものの、どうにもならなかった。
 兄さんに恋人が出来ただかなんだか、オービタルが興奮したように喚き散らして駆け回っていたから兄さんを問い詰めた結果がこれだ(因みにオービタルは罰として三日間分解の刑に処されたらしい、ちょっと無残すぎると思う)。その恋人というのが同性だと言う事実に僕は正直驚愕せざるを得なかった。
 ファミレスの四人掛け席に座りながら壊れたロボットみたいに拙い会話をする兄さんと九十九遊馬はとても恋人とは思えない。会話だって、二言三言で途切れてしまうような有様だ。そこはかとなく微妙な空気が満ちる。

「……僕、ちょっとお手洗い行ってくる」

 放っておいたら完全に溶けてしまうアイスだけを食べ尽くし、溜息を吐きながら席を立った。兄さんの無表情と九十九遊馬の困り顔が目に入る。うん、同性という点を差し引いて鑑みてもお世辞にも恋人に見えるとは言い難かった。
 そういえばオービタルのネジ、みっつくらい無くしちゃったけど大丈夫かなぁ、とか思いつつ二人の横を通り過ぎて。

(あれ、)

 机の下で、こっそり手を握り合ってる二人の姿が見えた。よくよく見れば二人の顔もちょっぴり赤くなっている。

(かみ合ってるんだか、そうじゃないんだか)

 やっぱり変だと再認識しながら、僕は馬に蹴り殺されない為にどうやってトイレで時間を潰すか考えた。



ル ー ビ ッ ク


2011.12.05

 

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