ほんの少しの


「ふわぁ…」

眠い。
本当に眠い。
何で体育の後に選択授業なんだろう。
いや、体育の後が何の授業でも眠くなるんだけどね。


「由梨ちゃん、…眠そうやな」

「うん…、眠い」

目を擦り、苦笑する友人を見る。
気を緩めたら、欠伸が出そうになるのを抑え、友人の言葉をオウム返しのようにそのまま返す。


「暇だねー」

「ちょ、棒読みやめてや」

友人のツッコミ?をスルーし、私は窓の外を見る。
あー、なんかすっごい髪色をした人がいる。
ミルクティーみたい…、喉乾いた。
金髪の人も居るし。
…あれ、そういえば友人から聞いた話では。


「ねぇ」

「どないしたん?」

「あれって佐藤ちゃんが言ってたテニス部の人じゃない?」

友人基、佐藤ちゃんを呼んでから、窓の外を指差す。
前に佐藤ちゃんから聞いた話では、テニス部の部長で一番人気のある…、白峰?白崎?
あれ、何だったっけ…。
白井(多分)先輩の髪の色はミルクティーみたいな綺麗な髪色だと聞いた。
そして、難波のスピードスター?
…浪速か。
浪速のスピードスターのあししのび(?)先輩は金髪だと聞いた…ような気がする。
窓の外から見える髪の色を見ると、佐藤ちゃんが言ってたテニス部の人の特徴と一致してるような気がする。


「うわぁ!白石先輩と忍足先輩やん!」

「白井先輩とあししのび先輩じゃないのか…」

「え、何?」

「ううん、何でもない」

窓の外を見ながら興奮した様子で騒いでいる友人を尻目に、欠伸を漏らす。
再び襲って来た眠気に何とか耐えながら、私はふと机を見る。
あ、私の描いた白玉がまだ残って…うん?
私が描いた白玉の下に、何か書いてる。


「“これ何や”…?」

「どないしたん?」

「ううん、何でもない」

そう言うと、佐藤ちゃんは不思議そうに首を傾げながら前を向いた。
…これ何やってことは、白玉だって分からなかったって事だよね?
ちょっとショックです。
私はシャーペンを持ち、芯を出して“これ何や”の下に“白玉です”って書いた。
…それにしても、綺麗な字だな。


「佐藤ちゃん」

「なん?」

「…この社会科教室って、他にどこのクラスが使ってるの?」

「そうやなぁ…って、選択授業、社会か国語しか無いんやから、どこのクラスも社会選択しておったら使うてるんやない?」

「…そっか」

ちょっとだけ、この“これ何や”って書いた人が気になった。



*2013/02/28
(修正)2015/12/23




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