マギ


「おじさん、1つだけ教えて欲しいことがあるんだ」

「なんだい?」

「マギって何かな?僕はまず、自分自身のことをもっと知りたいんだ」

「ふーむ」

アラジンの言葉に、シンドバットさんは少し考え込み、アラジンが出した青い巨人にそっと触れた。


「1つ言えるのは、これがマギという事だよ、ジンを易々と実体化させ続ける程の魔力の出力、マギ以外の人間の攻略者たちなら一瞬で魔力が無くなってしまうよ」

やはり、アラジンが操っていたこの青い巨人こそがジンなのか。
まだアラジンがこの青い巨人で闘うところを見ていない。
盗賊団のアジトで出した時は牢屋を壊したくらいで、特に戦っていなかったし。
このジンの能力が知りたい。
もしかしたら会話の中に出てくるかもしれないと、静かにシンドバットさんとアラジンの会話に耳を傾ける。


「僕も出し続けられる訳じゃないよ、笛をずっと使うとお腹が減るし、眠くなるんだ」

「ほう、なるほど、マギは魔力を使うと体力が減るのか、面白いね…、それでも、俺達普通の人間からしたら、君の使える魔力は無限のようなものさ」

そう言ってシンドバットさんはにやりと笑みを深めた。
シンドバットさんの話から察するに、この世界には魔力という物が存在し、それが要となってジンの金属器を扱ったり、魔法というものを使っていると推測出来る。
あくまでも推測だから、本当に合っているのかは分からないけど。


「魔力とはルフが生み出す力のこと、ルフは知っているね?空・海・大地全てに存在し、もちろん生物すべての中にも宿っている、普通の人間はその自分の中のルフが生む一定量の魔力しか使えない」

そういう事だったのか。
この世界の人たちは皆、体内に宿っているルフを魔力に変えているのか。
でも、その体内に宿っているルフ、魔力の量は人それぞれなのだろう。
私たちにも、ルフは宿っているのだろうか、異世界から来た私たちにも。


「しかしマギは、自分以外のルフを使役できる…つまり、自分以外のルフが生む魔力をも、無限に使うことができるのだ!」

「アラジン、最強じゃねぇか」

「そうだね…」

「ルフたちに愛されている、いやぁ、マギってのは本当に凄いね」

シンドバットさんが言う通り、アラジンの周りには眩いばかりのルフが飛び交っている。
これが、ルフに愛されているという事なのだろう。


「そうだ、そんな凄い君に1つ頼みがあるんだが…」

「なんだい?」

「実は今、とある戦いを控えているのだが、俺にはとある事情で金属器が今、1つもないんだ!」

「7つ全部盗まれたんですけどね」

「…え、今金属器、1つも持ってないんですか?」

「なんだよ、がっかりだぜ…」

シンドバットさんの言葉に、私たちはあからさまに落ち込んで見せた。
やっとジンの金属器を持っている人を見つけたのに、その肝心の金属器を盗まれただなんて。


「盗まれるってどういうこと…」

「7つも持ってる癖に、盗まれるって…」

「そこ、ぶつぶつ言うな!」

私たちの呟きが耳に入ったのか、シンドバットさんは眉を寄せながら私たちを見る。
私たちは小さくため息をついた。



*2015/11/29


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