「シュヴァーンが買ってきたのだよ。…意外に甘いものが好きらしい」
「…美味しいから良いではないですか」

シュヴァーンが買ったと、アレクセイが真相を伝えると、ドーナッツを買った当の本人は苦笑を浮かべていた。

「我ながら女々しいと思うよ」
「そんなことはないですよ、甘いものは正義です!」
「そ、そうか…?」



――どのあたりが正義なのだろうか?



アルエの力説に頷きながらも、疑問を覚えるシュヴァーンであった。

アレクセイはアルエの力説に感動したのかどうかは分からないが、ひっきりなしに頷いている。

「そうだ、その通りだ。良く分かっているではないか」
「ですよね!あ、もうひとつ貰いますね」
「好きなだけ食べると良い、何ならもっと買ってこさせよう」
「いや、あの」



――お、俺が買ってきたのに何故アレクセイが許可を出すんだ?

いや、買ってこさせるってどういうつもりなんだ。



甘いものがなんたるかの会話がアルエとアレクセイの間で繰り広げられている中、シュヴァーンは徐々に減っていく、自分の為に買ったドーナッツを見て唖然としていた。



――アルエは良いが、アレクセイ、お前は少し自重してくれないか…?




(気づけば残り2個しかないのだが)



甘いものは正義

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