『さて、どうしたものか…』


シュヴァーンが朝目覚めると、腰元に細い腕が絡み付いているのを発見した。
布団を退かしてみると、アルエが眠っていた。

「起きそうにない、か…」

頬をつねってみても、脇を擽ってみても、(ある程度は反応を示したが)起きる気配はしなかった。

「アルエ…」

この腕をどうにかしなければ、自分は起き上がれない訳だが、何をしても起きないアルエをどうにかしてまで起こそうとするのも忍びない。

「今日くらい、休みを取るか」

気持ち良さそうに眠るアルエを見下ろしながら、シュヴァーンは笑んだ。



――また、アレクセイにグダグダと小言を言われそうだ。

(それくらい、痛くも痒くもないが)



眠り姫

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