「あの…」
「なぁに?」
「私の上で何をしているのですか?」

ホテルの一室。
確か今日はリタと同室だったはずなのだが…。

目を覚ますと、レイヴンが馬乗りになっていた。

「いやぁねぇ、アルエちゃん」

ゲラゲラと笑い、アルエを見下ろす。

「俺が上に乗ってたら、やることは一つしかないでしょーよ」


『えぇ、えぇ、それはごもっともですが』


「そんな気分じゃ…、も、眠いんです…おやすみなさ…」

うつらうつらと意識を飛ばしかけながら言葉を紡いだが、結局睡魔には勝てなかったのか、次第に規則正しい寝息が聞こえ出した。

「ちょ、アルエちゃん寝ちゃだめだって、話が進まない…」

アルエの肩を掴み、上下左右に揺さぶりながらなんとかアルエを起こそうとしたが、アルエの口からは、もう食べられないだの、ジュディスさんが空から帰ってこないだの、レイヴンさんのスケベだの、一体どんな夢を見ているのかと問い詰めたくなる言葉が漏れる。

「いや、どんな夢見てるのよ、てかこれからスケベって言われる以上の事をするつもりだったのに、ねえ、ちょっと」

結局突っ込みを入れてしまったが、当の本人が目覚める事はなく、しょんぼりしながら部屋を出るレイヴンであった。



夜襲NGパターン

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