さよならのあとではじまる歌
最愛を知ったあとの結末
よすがもなにも なにもかも
泣くだけで叶う願いなら
落陽の耀きと沈む
喉が嗄れるほど叫んでも
あたらしい太陽が照らすもの
とっておきの笑顔は宝石箱にしまったまま
出尽くした祈りに頽れる
儚さを象ったうしろ姿
地獄の底に射し込む軌跡
またとない日常が愛しかった
瑠璃や玻璃とおなじだけの
嘘だらけの世界でも輝いて
撓めた記憶を手放さないように
あしたの君にも出逢えたら
たくさんの彩りを束ねて捧ぐ
羅針盤では測れぬ居場所
静まる波が告げる
いつか泣いてでも想いだしてください
僕は彼には為れないけれど
悔しさで押し込めた慟哭をゆるして
とめどなく流れる無限のなかの一粒を
きっと君とおなじこと云うね
水遊びで笑うような無邪気さを失くしても
ノックはそっと心の奥を
鬱屈した日々はこの影と
足りないままの奇跡を信じて
こどもの泣きかたを見倣えよ
交錯する感情もすべて預けて
紙屑に綴れなかったことばたち
烙印の轍に美しい種を蒔こう
まがいものの想いを焼べる
正しさで掻き消える命の正しさ
はじめからのエピローグ
寂滅しゆく美化の記憶
またとない瞬きがたたえる尊さ
鏤骨の果ての絶望に寄り添う
禊のなみだに掬われて
螺鈿を織りなすゆびさきのように
いつかまたが来なくても
おしまい。
あたらしいぼくと きみのうた
ここからまた はじまるみらい