哀しみに満ちた未来から超えてきた | ナノ


哀しみに満ちた未来から超えてきた



華胥の国はひとよの夢
泣いて赦しを乞えたとしても
屍者とは分かち合えぬ領域
見透かした瞳の底の寂しさ
匂やかな春の永遠
未熟すぎた心を叱ってください
塵芥とは鏡の中のおまえだ
ただひとりに向き合わなかった償い

皆が唱える願いは誰のもの
螺旋の果てで咆える
一縷の希望をたいせつなひとのために捧げた君へ

必ずよ叶え
落日の余映に滲む
こんなにも背負わせてしまうなら
エデンに青い鳥は棲めない
手垢まみれの生き様
傷つけたことに気づけなかったこと
焚き火と迎えるさいごの朝

記憶のなにが慰めだ
未採録の衷心
脳裡に彫りつけたほほ笑み
仕方がなかったうそだったよ
アヴァロンに咲く花
鷲掴むには細すぎた糸
刹那の魔法はひとすじの光明を見出すか
Woebegone bygone

熱の在り処を繋ぐ
がんばったよ もういいよ
拙かったあの日を抱き締めたい
手の鳴るほうへ、光をめざして
揺蕩う焔の残り火


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(きみのしあわせをねがってた)

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