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海岸越しのメトロシティ
やさしさだけで縫ってみて
卯月の鳥が啄ばむ果実
ふたりで七夜の夢を語ろう
ストロボに滲む
揺らめいた落下地点
とっておきの駆け引きは去り際に
神秘を秘めたくちびる
オルガンの蓋は閉じられて
ありふれたことばを君が唱えると

逆さまトリッキー
夜明けは火輪の手をとって
ばらまかれた花の匂いを嗅ぐ
手枷はこの眼にしか見えない
メディカル・メディカル
凍えた暗がりの隅で抱えながら
色褪せた眼界にぽつりと
腫れた頬が眸子に沁みるので
あなたのなまえをわたしの辞書に
オールド・メカニズム

雨の庭で育て
真っ赤な糸で綱渡り
ふなれな刃
鞭打つ光りは強く淡く
悲しいだけの話にはもう飽きた
ちぎり散らしたまほろば
虚ろな眼窩に歌声を
ペダルに圧しこめた心臓
深海魚たちの夢みる丘
つめたいまぼろしが融けるまで

魂の緒をひいて
ベツレヘムの星に聴く
災難を打ち砕く力を持てたとして
ふたつの掌で大切にできるぶんだけ
未熟で眩しい青さを愛でる
足りない時を駆けてきて
to symbolize something
結わえた手紙の雫の痕
満ち満ちたやさしさに絆されて
ほんの小さなことにも傷付くあなたが好きでした

春よ儚きを誇れ
しらはなのドレスと花
輝けるあたらしい日に導けるように
走馬燈になる絵を択ぶ
泣いて笑って咲かせていくこと
ぼろぼろの星の屑を抱えて
宇宙を泳ぐようなまどろみにいた
灰燼が安らかに還るために
ひとりで守りぬいたゆびきり
僕が愛した幼さだけは残しておいて

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