流 天
星 と の
群 河
ほかの愛など捜さなくていい
倖せに泣ける日が來るように
垂れ籠める夜の玻璃をつたう
違う手はやはり違う手
がらんとした銀河の岸で
星逢いと掌
ほんものはよりいとしい
炎帝の花送り
路導がわりの恒星
あまりに可哀想に泣くものだから
空蝉ならびの儚さ
巍巍たるまぼろしを棄てて
nacreous
外郭に湛えるペーソス
のうぜんかづらは漂いながら
夏の夜の永さにゆだね
花冠に白い星と願いを
できるだけのせめてもの
どこにいてもみつけるのはわたし
宇宙はかくも縹渺に
還りたくない想いをこんどもずっととっておく
おしまい
(星たちが微笑みあう銀河のなかでどうか)