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ありったけのエメラルド
魔法だったんです、はじめから
心の臓が宝石ならば砕いてやれる
まぶたが幸福におもいとばり
嵐のあしたに告げるべくは
ムーンライト・シンパシー
脱ぎたての肌にめざましの茨
あったかい鍋がすきなんだってね
眩暈ですら贅沢なひとときであれば
とっておきのやわらかな楔にしよう
メロウの水槽
終末上映のいちばん席にて
あちらこちらにすべからく
等間隔のさみしさの架け橋
キンモクセイの夢でたゆたう瞳
どうせ咲いて駄目になる
祈らずに輝いていられて偉いね
まちがった春、すれ違った夜
好きの気持ちが人質みたい
どうしようもなかったすべてについて
はらわたのなかの月
不慣れな十字架をひきずって
しんじがたい花園の色彩
織り交ざる呼吸はイノセンス
まぼろしの蝶は蜜のかけら
蠍じみた毒もなしに
パレードのひかりを断ち切る
あっけないくらいの終わりでいい
実ればエデンは灼けるから
やさしいあなたはひなたの陽炎
雨あがりの虹の片鱗
メイク・ア・ワンダー
あれはあまりに春でありすぎた光
傷跡にだけ咲かせましょう
ちょうどわがままが足りなかったんだよ
ことこと煮込んだでまかせ
お砂糖の王冠だったらいいのにね
あしたのことは未来にまかせて
ぼくら割れた三日月みたい
ワルツのための金平糖ひとかけら
はなむけの王国
白薔薇の星座をおしえて
ジャムを塗るための手をひとつ
さざなみにも攫われない光
満ちて欠けて、パーフェクト
きみが泣いたら騎士になる
勇ましい旗を握る指、刺繍で針をさした指
それは呪いではなく祈りでした
錆びついた花、雨下に来たれ
ひかるあなたのすべてから
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