3301-3350 -211212 | ナノ


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春の届かぬ凍土
ほつれのむすびめにリボン
降り積もる消印を焼いて
くれぐれも勘違いなさらずに
センチメンタル・フューリー
蛙鳴蝉噪ならずのひなた
ひとのかたちをした祭壇
冬であれば狂乱達がより騒ぐ
奪いにきてぜんぶあげるから
せつない想いを欲しいがままに

茨がひかればネオン
きみの地獄に逢えるまで
奇しきはらからの協奏
微熱のシーツがさびしいし
熱帯夜を凍らせるような手口
われら等しく救えぬ獣
咲きませんかそこは寒いから
あらかじめ用意されたほころび
擦り切れたオペラの未明
愛だとか恋で救おうとするな

遮光、すべりて
まなざしで星を追いかけて
踏みつけた春をさらっていって
ビロードのような海で戯れて
折れたての牙で飾りたてて
燃え撃つまぼろしで溺れていて
ありふれたやさしさで奪っていって
不可視の愛を翳してみて
すべてが報われなくても花はめぐって
話したいことが幾つもあって、君といたい未来がずっとあって

夜も朝もなめらかな影
ことばもなくそばにいるだけで
金星の祈りを蒔いたから
おまえに明日が似合うように
欠けたほうがふしぎと寄り添えた
フレア・メルト・バーン
素の手ふたつで掬えるだけの
これを夢だと称した横顔
残骸ごと慈しんでゆく雨の庭
ほほえみのうつせみがおまえだよ

極光とならぶ六等星
きらびやかなふわふわのこころ
飽和までを花で埋めてくれ
オールグリーン・ハイヌーン
いつか毀れても眩しき玻璃質
おとなになった手でなら繋げる
胸にまばたく星屑のかけら
きっとひとしく透きとおる
春泥を越えて、明けの岸まで
淡いまぼろしなんかじゃなかった

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