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深夜のシネマ限定の小宇宙
豹変までに辿りきれるとうつくしい
トライアングルの丸みをついと撫でる
飴でも傘でも適切なものを望んでね
やすらかな夜をいくらでも味わうために
遅すぎたなら最果てで待っているよ
インスタント・シャングリラ
詮無いくらいが奪われなくていい
わるい子のあいだは構ってくれる手
大人になったら想い出が救ってくれるように

とうに遠い潮騒の波打ち際
看取れなかった星屑たちの集合体
わざわざ傷ついたら悲劇になれるから
救おうという傲慢が踏み躙るから丸めた背
光を妄信する者の言葉、ときどきつめたく光る
夢でも現でもきみはいない
屑だらけの雑踏で天も星もただ遠く
なぞる、くびれ、しなやかに
原石になるための血潮は虹色
化粧の匂いが薄まった夜明けの花

瞬息だけの愛を透かせて
かわいい瞳に映りたかった日
オウム返しで自覚したばかりの雛たち
すくないだけの命だから素直なほうがいいよ
降りしきる呪いがあんなにも光っていた
お年頃で片づけられたら簡単な焦燥
墜ちるところまで墜ちて土の奥から芽吹いて
ばらばらになれたら骨できみの名をなぞる
苦しかった頃のこどもが今日まで来たんだね
希望よりもやさしい気がした絶望の歌

聖杯で灰を呑み干して
あまいバターが溶け合って爆ぜる
魂とこころが朽ちるまでの永遠
孤独を裸にしたらなんでも纏えるの
フェイク・ハルシネイション
待ち人来ずともこんなにも春は
砂時計の粒がもっと粗雑で尖っていたら
さらばここはかつて呪われた夜
熱を厭うならちょうどいい陰影
君は はかりきれない純度のやさしさで

篩にかけてもあぶれない光の粒子
渇いたバウムクーヘンに花束を
どうでもいいことだけ話していたい
罪と罰がかぎりなく透明になるところ
そろそろ紅茶の煌めきでもみようよ
花吹雪のなかで睫毛をまたたいて呼んで
ふたりだけの想いの在り処をずっと
庇われていたんだね運命でもないのに
なりそこねた薔薇だから棘はお預け
終焉が追いつくまで、限りある愛のかぎり

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