2951-3000 -180311 | ナノ


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セレファン越しのざらついた海
あのこのいのちばかりが眩しいなんて
だれしも醜い怪物の担い手なのさ
弱さをちらつかせたら撃ってきやがる
スパンコールのような夜の日
我が物顔で親しみをむけるなんてね
ひとりきりの風が痛いといい
頬笑みのくちびるから擬態のナイフ
あたりまえのふたりぶんだったらよかった
離れるたびにうつし絵遊び

異土の野薔薇の孤独
あめだらけのおとがとまらない
腐りかけてみればわかること
フィラメントと花火でできた避暑地
知っていました、好きでしたから
夢のほうがほんとうのようなエデン
まだあいたりないから日曜日
林の中の象と陽だまりさがし
ふたりであけられなかったシャンパン
惑いにもにた恋が火をつける

罪滅ぼしにつばさの宝石
僕らの終点はゆるやかに穏やか
ただ何もなくても君の笑みがみたい
我が侭な歌をゆるしてくれたね
つぶてだらけのことばがいたいよ
撃ち落とされし星をかきあつめた塔
惑わされずにさよならしてね
瞋恚の毒が牙を向けぬように
あたらしい生き方だとつりあわない
禁じ手の縫い目をほどきましょうか

明眸のさかな
きみが魔法なら僕はいらない
粉粉になった庭の種の蒔きはじめ
きっとじゅんばんこに生きてゆく
蝋石のようなしなやかさがいい
月が日が雨が祈りのお供
らららのお歌でダンスがしたい
ほろ苦い夜でも慰めかもね
泥まみれでめざしたきらきら
希望を棄てきれなくてもちろんいい

あかりの窓から滲んだ歳月
シュガーコートでできたことわり
星の萼片が花咲く日まで
つめたいなみだも実を結ぶのです
愛の歌をつくりあうふたり
こころのどこかでまわりゆく金星
光じみたことばが似合うのね
ここは奈落にはほどとおい
玻璃のように透明になりますように
みたことのない朝じゃなくてもいいよ

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