今朝はやけに早く目が覚めた。
真っ青な海にぽつんと浮かぶ太陽はキラキラしすぎて目が痛い。そうだ、洗濯。今日は洗濯日和だと、朝からごわんごわんと洗濯機を鳴らした。
ベランダにみっちりと並べた衣類達。少さく吹く風に揺らされて、気持ちよさそうだ。ぼうっとそんなのを眺めながら、ああ、平和だなと思った。なんだか幸せだなと思った。そんなことを考えていたら、何故だか涙が溢れてきた。
変なの、悲しくなんてないのに。
ただ幸せなだけなのに。
カタン、と背後から物音がした。どうやら高野さんが起きたらしい。はらはらと涙を流している自分に気づいて、どうした?と心配そうな表情を浮かべて、指先で頬に触れてくる。どうもしていないです、と答えた。ただ、高野さんがすごく好きなだけです、と。
平凡な日常。つまらない、いつもの時間。けれどこんなに幸せを感じるのは、多分彼が側にいるから。
その幸福を積み上げる。十年分。今はまだ遠い未来の話。
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71、積み上げる(字書きさんに100のお題)
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