小野寺の頭の上に、変な数字が見え始めた。

眼精疲労の極地かと思いきや、疲れ目休めた休日でさえその数字が確認出来る。そしてそれは、自分以外の人間には見えないようだ。

ぼんやり浮かぶ数字は三桁。それはどうやら一日すぎるごとに、一つずつ減少していくらしい。まさかこいつの死期?と思い至らなかった訳ではないが、何故だかそんな気はしなかった。
逃げる小野寺をぎゅうと抱き締め、耳元で愛を囁けば、何故か数字が揺れ動く。ああ、分かった。これはカウントダウンなのだ。彼が自分に愛を返すまでの。

…めんどくせえな。あと140日あるとかどういうことだよ。もうとっくに俺のこと好きなくせに。それでも、10年の月日に比べたら大した数字ではないのだけれど。


力を込める腕に観念したらしい小野寺が、ぷはあと息継ぎするように俺の肩に顔を乗せながら口を開いた。


前から気になっていたんですけど、高野さんの頭の上のゼロの数字は何なんですか?


俺がお前に恋してる証拠。



※※※
100、その形(字書きさんに100のお題)







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