「俺、世界一のベーシストになる」
「はあ?…この前、芸能界の一番星になる、とか言って事務所に応募してなかった?…ああ、落ちたのね。その前だって、宇宙に行って新しい星に俺の名前をつける、とも言ってたような」
「そんなこともあったな。けどそれは過去の話。今はこのベースにハマってるんだ。影で支える大黒柱…カッコいいだろう!」
「はいはいカッコいい。けど真の大黒柱はドラムだからね、残念だけどベースじゃないんだよ」
「うるさい!とにかく俺は世界一のベーシストになってやるんだよ。きっと三年後辺りに煌めく現代の歌手の後ろで弾いてるさ!」
「うん分かった。でも三年だけで世界一のベーシストになれると思わないし第一世界一がバックでやるのは、…事務所のお金が大変だね」
「何言ってんだ。ボランティアでやるに決まってるだろ。ボランティア!」
「相変わらずの阿呆で安心したわ。あんた世界一のベーシストよりもボランティアの会長の方が似合ってるんじゃないかな」
「そ、そうか?じゃあ俺ベーシストやめて会長になる!なぁ、どうやったら会長になれるんだ?」
「決意が紙のようね。…そうね、まずは会を設立して会員を集めないとね。それから具体的に何をするか決めて実行してみればいいんじゃないかな。ただ会長ならその下の役員も決めないといけないのよ。幾多の会員の中から責任能力のある人を副会長、書記、会計、広報…まぁそれ以外にもいっぱいあるけど、最低五人は必要ってことね。まっ、それだけの人数を無名なあなたが集められるかって言うと無理な話なんだろうけど」
「お前会長になれって言ったり無理って言ったりどっちなんだよ。…会長になるにはそんな努力が必要なのか。やっぱり俺、会長になるのやめる」
「あくまで似合ってるって言っただけだよ。それより、私は婿をもらうことが夢なの」
「そうか。じゃあ俺、お前の婿になるよ」
「それが一番いいよ」

ドリーマンの法則
(夢が大きく、コロコロ変わるあなたが素敵)


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