チャイムが鳴ると同時に私は机の上に伏せた。しんどい、その一言に尽きる。講義が難しすぎたとかそういう訳じゃなくて、バイトの連勤による抜け切らない疲労感と寝不足のせいで何も頭に入って来ないし、身体がだるくって立つことすらままならないのだ。生活するためには働かなきゃだけど、掛け持ちし過ぎるのも問題かもと今更思い知らされる。1つくらい辞めないと身体が持たない。でも、ファミレスは人数足りてないし、コンビニは新人さんに流れを教えなきゃだし、お花屋さんは奥さんが出産するまでは手伝ってあげたいし、スーパーはおばちゃんたちいい人だから辞めたくない。結局どれも辞めれないんじゃないか。

「悠架、」
「こんな性格だから甘いって言われるのかなぁ…」
「何か悩みごとか?」
「悩んでも仕方ないんだけどね」

きっとあまり顔色が良くないであろう顔に笑顔を貼り付ける。あんまり心配されるのは好きじゃない。自分のことに人まで巻き込みたくないのだ。ノートを書き終えたのか、かばんに教科書を詰め込んでいる風丸を横目に見ながら私も帰る用意をしなければとまだだるさが残っている身体を起こす。今日も夕方からコンビニでバイトだ。

「悩んでる理由は知らないけど、悠架が頑張ってるのは知ってるし、頑張ってるお前が好きだよ」
「ありがと。その一言があれば頑張れます」
「よかった、顔色ましになったみたいだな」
「私、単純に出来てるからね。じゃあ行ってきます!」

本当はまだしんどいけど、少しでも私を知ってくれてる人が居るだけで心強いんだ。
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