今まで好きだ好きだとうるさかった狩屋くんが突然私の事が嫌いになったと言ってきた。もちろん私は動揺を隠せなかったし、正直ショックだった。これからもずっと好きで居てくれるのが当たり前だと思っていた事自体が間違いだったというのに。私は彼の気持ちに甘えきってしまっていたのだ。


「今日は来ないね。えーっと…狩屋くんだっけ?」

友人のその言葉がぐさりと胸に刺さる。どうして今まで気づけなかったんだろう。彼はここまで私の心の奥にまで入り込んでいたのに。思わず涙が零れた。周りに居た子達がどうしたのって聞いてくれたけど、そんな事も気にならなかった。私の頭の中は狩屋くんの事でいっぱいだった。

放課後、私は彼を呼び出す事にした。自分の気持ちに区切りを付けたかった。もう遅いけれど、今まで私に伝えてくれていた事に返事を返したかった。きっと私が呼び出しても来てくれないだろうから、天馬くんに伝言を頼んだ。待ち合わせの時間は3時半。けれど、今の時間は4時。少しだけ期待してた。本当はいつもみたいな冗談で、すぐに冗談だって言ってくれるんじゃないかって。でも、彼はここに来なかった。それが答えなのだ。私が踵を返そうとすると、突然肩を掴まれる。そこに居たのは、

「悠架先輩」

狩屋くんの顔を見た瞬間、涙が止まらなくなってしまった。一瞬驚いた様な表情を浮かべていたけど、優しく私の身体を抱き締めてくれる。なんで、彼はこんなに優しいんだろう。その優しさが今はたまらなく辛い。もう遅いんだ、だって私の事を好きで居てくれた彼はもうここには居ない。

「先輩なんて、だいっきらいなんです。でも、それでも本当に嫌いになれない俺は相当ですね」

そう言って狩屋くんは微笑んだ。状況を把握出来なくて首を傾げている私の耳元に顔を近付けると、小さく呟く。

「!」

「……分かりましたか、俺の気持ち」

「……うん、分かったよ。今までごめんね、私も」


“狩屋くんがだいっきらいだよ”


なんだか変な感じだけれど、これで正解なんです



最近狩屋くんがお気に入りな様ですw
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