※この前の続き


なんとかバン君達と合流してアミさんを助け出す事が出来、僕は安心した。本当は自分が助け出したいという気持ちもあったが、アミが無事ならそれでいい…眠っているアミさんを起こさぬようお姫様だっこをしてドラゴンタワーから出る事にした。

階段をゆっくりとおりているとアミが目を覚ました。最初は目を何度も不思議そうにこちらを見ていたが今の状況を分かったのか急に顔真っ赤になっていた。

「えっ、ジン?!」

「大丈夫かい」

取り敢えず目が覚めたアミを部屋のイスに座らせて、僕がそう声をかけると、何も覚えていないのかアミはここが何処なのかさえも分からず首を傾げていた。取り敢えず彼女にアミがどんな状態になっているのか、またLBXを使って恐ろしい事が起こっている事も伝える。

「そうなの…私が操られてる間にそんな事があったなんて」

「アミ何も覚えていないのか」

「ごめんなさい、本当に何も覚えてないの…」

彼女をこんな事にさせたのは誰なのだろうか。もし自分が彼女の近くに居ればこうやって狙われずにすんだのかもしれないのにと悔しそうに拳を握るとアミが僕の手を握った。

「ジン、貴方自分が居ればこんな事にならなかったのになんて思ってる?」

「!?」

「気にしなくていいのよ、だってこうやってジンと久しぶりに再会が出来たんだもの」

「アミ…」

「それに助けにきてくれてありがとう」

それから、バン君達が入ってきてアミが覚えている部分だけ話した。彼女も戦う!と立ち上がるがまだ安静にしてはいけない状態になり、日本に帰る事になった。バン君がそう言ったのには驚いたが、日本なら彼女がまたこういう目になることはなくなるだろうと安心できた。

だが心の中では行ってほしくないという気持ちが強かった。アミは僕の表情を見てなにか感じたのかこちらを見ているのには自分はその時わからなかった。

「皆ありがとう!」

そう言って里奈さんと歩いて行こうとするが、アミは途中で足を止め僕の方にと戻ってきてくれたのだ。

「ジン、少し話があるのいい?」

「あぁ、僕も話したいことがあったんだ…バンくん」

「分かった、少しアミと話しておいでよ」

「ありがとうバンくん」

人があまり居ないところに移動して彼女は僕の方に振り返り、アミは悲しそうな表情だった。

「ジンと最後に話したかったから…」

「僕もだよ」

「もうしばらく会えなくなるわね」

「………」

「私決めたの!日本に戻って郷田達とシーカーで戦うって」

「アミ…」

「だ、だから早く日本に戻ってきてね私待ってるから」

「あぁ、かならず戻る約束する」

「約束よ?」

いつの間にか僕たちは笑い合っていた、彼女が日本で待っていてくれている。そう思っただけでだんだんと頑張ろうという気になった。

バン君達のところに戻り、里奈さんと行こうとするアミを見送る、すると僕の方に振り向いて大きく手を振ってくれた。

「ジーン!いってらっしゃい!」

「あぁ、行ってくる」

必ず無事に帰るよ君の元に…




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