最近まったく寝れないせいか寝不足が多い、寝ようと思っても寝れなかったりそういう事が続いている水鳥にとってつらいものであった。授業中だって、寝ようとするとすぐ先生がズカズカと教科書ですぐ頭を叩き起こそうとする。先生は水鳥を何回も見て寝てないか確認しながら授業を進める。

隣の席の茜が心配そうにチラチラと見るが水鳥は気にするなと欠伸をしながら返事する。

放課後になり、部活に行こうとすると倉間が前に居たのでつかさずダッシュして彼の頭をゴシゴシと撫でてやった。急な行動により倉間はビクリと肩を震わせるが水鳥だと分かればだんだんと表情は真っ赤になり、怒り出す。

「お前大丈夫か…」

「え、なにが?」

「凄く眠そうな顔してんな」

「あぁ…最近寝れないんだ」

「なんで」

「さぁ、あたしにもわからね」

部活が始まりいつものように練習を見ているうちに眠気が襲ってきて水鳥は駄目だ駄目だと首を横に振りなんとか眠気を吹っ飛ばそうと思ったがやっぱり眠気はさっきより酷く気付けば目をつぶって練習している声が聞こえる。
茜は、それに気付き肩をトントンと叩いてここで寝たら風邪引くよと起こされたがまだ眠たくなる。

休憩に入りマネージャーからドリンクをもらい、倉間は一人居ない事に気付きベンチの方見たら完璧に横になって寝てる水鳥を発見した。あのままじゃ風邪引くと思った倉間はジャージの上着を彼女にかけてあげ、浜野達のところに戻った。

「ん、あれ……」

「起きた?水鳥ちゃん」

「うわっ、今何時?!」

「6時」

「ご、ごめん待っててくれて…ってこのジャージ誰の?」

「倉間くんのだよ」

「は、倉間?」

思いもしなかった人物の名前が出てきてそれにびっくりしたのか水鳥はぽかんと口を半開きにした状態で茜を見ると、お礼言っとかないとと微笑んだ。水鳥は彼のジャージを丁寧にたたんで鞄の中に入れ茜と帰宅した。

次の日朝練で水鳥は、早めに登校してグラウンドでまっているとそこに倉間が来た。水鳥は昨日のジャージを持って何故かドキドキしながら彼に近付く。

「倉間」

「あ?瀬戸どうした…」

「昨日そのこれありがとうな」

「あぁ、あんなところで寝てたら風邪引くっーの気を付けろ」

「あんた意外といい奴じゃん!」

「なんだよそれ」

「倉間のお陰で風邪引かずにすんだんだ!ありがとな!そういう優しいところだけ好きだぜ?」

「は?!」

「じゃあ、また後でな」

そう言ってマネージャーの仕事をしに行った水鳥の背中を見ながら今の自分の顔はどうなっているのだろう…多分顔真っ赤に違いない…

「恥ずかしいやつ…」



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