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ものすごく大きな轟音が響いた。ここは地下だから音はよく響くけれど、それにしてもかなり大きい。
−−なにかしら? 今の近かったわよね…?
そんなことを考える暇もなく、がちゃん!と鍵が開けられた音。反射的に振り返ると、格子越しのそこには見慣れた顔があった。
「緊急事態だ!ここを出るぞ!」
少し焦ったような顔をした、サキ・スタイナーが牢を開けて私の手を掴む。
「何が起こったの!?」
「あんたを追ってる奴が襲ってきたんだよ!」
咄嗟にフード付きマントの二人組の姿が浮かぶ。彼らの恐ろしさも同時に思い出されて、私はぶるりと身震いした。
サキ・スタイナーはそのまま私の手を引いて、この地下牢から出て行った。
chapter.3-16
world/character/intermission