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「アッシュが?」


「ああ、だから今日は会いに来られないってさ。」


「そう…ですか……」


「あんまり落ち込むなよ、ナタリア。アイツなら直ぐに元気になって……」


「分かりましたわ。」


「へ?」


「今日は私から会いに行きます!」


「はぁぁっ!?」


それは、アッシュが風邪をひいたと言う情報から始まった。


今日はアッシュがナタリアに会いに来る予定だった。


しかしルークへの回線で、アッシュが体調を崩してしまった事を伝えられたのだ。


当然デートは中止、となるはずだったのだが……



「な、ナタリア…本気か?」


「当たり前です!いつもいつも、アッシュに無理をさせてしまっているのに気付かなかった自分を恥じていますわ。」


「いや、それはアイツが好きでやってる事で……」


「ルーク…!!」


「はいっ!?」


「私はアッシュの看病に行って参ります!皆さんに伝言をお願いしますわね。」


「え、本当に…って、もう居ねぇし……」



ナタリア王女は、愛するアッシュの元へと全力で駆けて行った。


ダアトの神託の盾騎士団本部へと。





「そこを通しなさい。」


「な、何だお前は……」


「扉を開けなさいと言っているのです!」



本部前には当然見張りの神託の盾兵。


身分を隠して旅をして来たナタリアが命じても、当然通して貰える筈もない。



「これ以上邪魔をすると言うのなら…射抜きますわよ?」


「……っ!?」



殺気を放った睨み。


兵はびびるが、簡単に退く訳にもいかない。



「ああ、もう……分からず屋ですわね!射抜きますわ!」



アッシュへの愛は暴走寸前だった。





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