1 「…ご主人様は、ご主人様だけですの…!!」 「…勝手にしろ。屑にはお似合いだ。」 長い赤髪の青年が横たわる部屋。 同じ赤髪の、同じ顔の青年が呟いた。 横たわった青年…――ルークの上に立つのはチーグル族のミュウ。 見た目的には見つめているようだが、実際はそれを睨んでいるアッシュ。 「…アッシュさんは、ご主人様が嫌いですの。何故ですの?」 「(コイツうぜぇ…)このレプリカに、全てを奪われたからだ!!居場所すら……」 「アッシュさん(他人)の代わりになったご主人様も可哀想ですの!!」 「…テメェ、何かムカつくぞ…。」 「みゅっ!?アッシュさん怒ってるですの…怖いですの〜!!」 怯えるミュウに苛つきを隠せず怒りを露にするアッシュ。 …しかし、そこにティアが登場。 「アッシュ!?何をしてるの!!ミュウを苛めないで!!」 「Σなっ!?俺は苛めてねぇ!!」 「おやおや、いけませんねぇ。仮にも六神将である貴方が、聖獣チーグルを苛めるなどと……」 「Σ死霊使い!?いつの間に…つーか俺は何も…っ」 「…アッシュ、見損ないましたわ。小動物を苛めるなんて……」 「Σナタリアまで…っ…俺は…俺は……」 愛しき姫の発言が止めとなったのか、アッシュはその場に蹲った。 「…俺は…俺は…」 「ティア、流石に言い過ぎですわ?」 「Σえっ…止めを射したのはナタリアよ?」 「いえいえ。お二方共、ご立派な攻撃でしたよ。」 「…大佐、誉められても嬉しくないです…」 「そうですか?」 その時、今まで蹲っていたアッシュがゆっくりと立ち上がった。 「俺は…俺は悪くねぇ――!!」 「「「……」」」 沈黙する三人。 しかし聖獣の頭は違った。 「…ご主人様と同じ匂いがするですの…。」 -end- back |