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「だから、一体何なんだよ!」


「…別に。」


「何が悪かったんだって!」


「…貴方は何も悪くないわ。」


「なら…何でそんなに怒ってんだっつーの!」



叫ぶ一人と受け流すように静かな返答を返す相手。


それは、短くなった赤毛を掻き乱して叫ぶルークと、いつものように茶色の髪をサラリと流したティアの姿だった。



「わっけわかんねー……」



宿の椅子で、拗ねたようにブツブツと文句を零すルーク。


その姿に、ガイとジェイドは首を傾げる。



「ルーク、さっきから一体何があったんだ?」


「見たところ、貴方がティアの機嫌を損ねてしまったようですが…」



半分心配、半分野次馬。


二人の問い詰めるような視線に、ルークは耐えかねたように叫んだ。



「うっせー!俺は悪くねー!」



その聞き慣れたとも言える言葉に、ガイとジェイドは溜め息を零す。



「…ルーク、お前……」


「変わるんじゃなかったんですか…?」



呆れたような二人の言葉を聞くと、ルークはうっと小さく唸った。


しかしそれでもルークは、もう一度小さな声で呟いた。



「俺は悪くねぇ……」



この頑固さに、使用人兼親友であるガイが一歩踏み出す。



「まぁ、事情を話してみろよ。お前が悪いか悪くないか、俺が判断してやる。」


「全く、未だに保護者気取りって感じですねぇ…」


「旦那はただの野次馬だろ?」


「いえいえ、私は純粋にルークを心配して…」


「嘘吐け。」



目の前で繰り広げられる、仲間同士のじゃれあいにしか見えない会話を聞きながら、ルークはポツポツと言葉を零し始めた。





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