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「あっぢぃぃぃ……」



燦々と照りつける太陽の下。


俺達は……力尽きようとしていた。



「って待て!勝手に俺達を殺すな!」


「だってよぉ、ガイ……こんな気温の中で旅するなんて、その内倒れる奴が出るんじゃねぇの?ああ暑い……」


「ああ、もう…言うな、ルーク。…余計暑くなるだろうが……」


「こんだけ暑いのに言わずにいられるか!暑い暑い暑い!!」


「ルーク!いい加減にしなさい!暑いのはみんな一緒なのよ?貴方が我が儘を言って涼しくなるなら、誰も文句なんて言わないわ。」



ガイに対する俺の反論を我が儘だと取ったのか、ティアが怒った様子で割り込んで来た。


俺にとっては、ただの気を安らげるジョークのつもりだったんだけど。


ガイもそれが分かっているのか、苦笑気味に此方を見ている。



「まぁまぁ、ティア。ルークがこういうのも仕方ないだろ?それにティアも少なからず、暑さの所為で苛立ってるみたいだしな。」


「わ、私はそんな事……」



ガイに言われた事を完全に否定出来ないのか、ティアも口ごもる。


気まずい沈黙。


この元凶は俺か、と落ち込みそうになった時、はぁ〜っと音が聞こえそうな程わざとらしい溜め息と同時に、ジェイドが口を開いた。



「仕方ありませんねぇ……」


「何がですかぁ?」


「アニス。このままの状況で、旅が安全に進められると思いますか?」


「う〜ん…ルークの我が儘じゃないですけど、私もこのままじゃいつか倒れちゃうかもしれないです〜……」



アニスの額に浮かび上がる汗が、それを物語っている。


他のみんなの額にも同じく、ナタリアだけが上品にハンカチで度々拭ったりするものの、限りなく浮かび上がる汗は止まらない。


ただ、ジェイドだけが汗一滴かかずに平然といるのが気になるのだが…。



「そこで、提案ですが。」



バッと全員の視線がジェイドに集まった。


この場の空気は、冗談を許さないだろうから、これから言われる言葉はきっと良い事に間違いない、と。


そして、いつもの笑顔を浮かべてジェイドは一言。



「息抜きに、海でも行きましょうか。」





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