過去拍手青黒+キセキ黒


「…で、何で皆さん居るんですか?」


現在、黒子の部屋にはキセキの世代と呼ばれる5人みんなが揃っていた。
よく理由は分からないが、元凶であろうの事の発端は前日まで遡る。


***


「課題…ですか…」
『お、おう…』
「ボク、あれ程言いましたよね?夏休みの課題は計画的に、と」


黒子の携帯に着信が入ったかと思うと相手は部活の相棒、青峰だった。嫌な予感を感じつつ取ってみると、案の定嫌な予感は当たってしまい、青峰は夏休みの課題が終わらなくてピンチなので助けてほしい、との事だった。
相棒のピンチといったら真っ先に助けるのだが今回は話が別だ。即断ろうと口を開くと、言葉を発する前に青峰が口を開いた。


『マジバのバニラシェイク1週間奢っから!な?』
「…」


結局は自分は甘いのだ。決して、バニラシェイクに目が眩んだ、と言う訳ではなく。決して。


***


そんな成り行きで青峰に課題を教えるから家に呼んだのだがこれはおかしい。
何故、キセキ全員が居るのだ。


「そんなの決まってるじゃないスかー!青峰っちと黒子っちを二人きりにさせない為っスよ!」
「は…?」


黄瀬の言う事が黒子には理解出来ず、それを考える前に赤司が口を開いた。


「あぁ、何故テツヤの予定を知っているのかについては企業秘密だからいくらテツヤでも教えられないよ」
「いえ、そういう事を聞いてるのではなく、」


ぶっちゃけそちらも激しく問いただしたいのだが、この赤司という人物については深く関わらない方がいいだろうと判断した。


「黒子だけでは大変だろうと来てやったのだよ」
「はぁ…」
「大丈夫だよ黒ちん〜お菓子ならたくさん持ってきたから〜」
「えと…ありがとうございます?」


はっきりと意見が言えないうちに状況はどんどんカオスになっていくのを感じながら、今までずっと黙っている青峰はどうしたのだろうとそちらに視線を向ける。


「青峰くん、彼等はほっといて課題やりましょうか?」
「…っ!なんでこんな事に…!」
「気持ちは分かりますが、」
「テツと二人きりになる予定が…!」
「え」


そう言って悔しそうな青峰を見て黒子は昨日買ったばかりの読みかけの本をそっと鞄から取り出した。


(この人達のお守りをしているくらいなら本読んでいた方が断然有意義ですね…)


ぎゃあぎゃあと騒がしく帰れだの黒子は自分のだの騒いでいるキセキから意識を本へと向けた黒子にキセキ達が気付いたのは日が暮れる頃だった。


「だーっ!?課題終わってねえ!!」
「あ、課題やってないっていうのは本当だったんですね」




キセキ達の条約その××
抜け駆けダメ、絶対


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