赤黒


*恋単語 寝顔


「…ん」


重くなってきた瞼を擦り、時計を見る。練習メニューを考えていたら気付けば針は深夜3時を指していた。なるほど、睡魔が襲ってもおかしくない。
これ以上は今日の部活に響くだろうということは考えるまでもない。バスケ部のキャプテンがこうでは示しがつかない。
そう考えて机の照明を消すと、布団へ潜り込んだ。それから直ぐに思考は深い闇へと落ちていった。


***


「赤司くん眠そうですね」
「ん、遅くまで練習メニュー練ってたからちょっとね」
「そうですか…主将って大変なんですね…」


真面目にそう言うテツヤに苦笑を零してから小さく欠伸を漏らす。いけない、つい。僕がこんな姿を晒すのなんてテツヤの前くらいだろう。


「珍しいですね、赤司くんが欠伸なんて」


人間観察が趣味の彼には案の定気付かれて、指摘されてしまった。
それがなんだか悔しくて言い返す。


「テツヤは僕を何だと思ってるんだ。僕だって人間だよ?欠伸くらいするさ」
「そうですね、確かにボクはちょっと赤司くんに失礼な事を思っていたのかもしれません」
「……言うようになったよね」


くすくすと笑うテツヤに何か仕返しがしたくなって何かないかと思考を巡らせる。そうだ。


「あ、赤司くん…!?」
「おやすみ。昼休み終わったら起こしてくれ」
「えっ、でもこの格好…!」
「テツヤうるさい。僕の言う事は?」
「ゼッターイ」


テツヤが慌てた理由は簡単だ。僕がテツヤの膝に頭を乗せて寝ようとしたからだ。最初はただの悪戯のつもりだったがテツヤの膝が思いのほか寝心地が良くてそのまま眠りについた。


***


「赤司くんも子供っぽいところあるんですね…」


彼が眠りについたのを確認してからぽそりと呟く。もし、彼がこの呟きを聞いていたのならどうなるかは想像もしたくない。
すやすやと気持ちよさそうに眠る赤司くんの綺麗な真紅の髪を梳きながら彼が如何に疲れていたのかを察した。確かに100人以上もいる部活を管理するなんて幾ら顧問やマネージャーがいようと大変に決まっている。今日からは自分の体力の持つ限り赤司くんの手伝いもしようと決めてから今一度彼の寝顔をまじまじと見つめる。こうしていると絶対君主など信じられないな、なんて思って一人笑ったのだった。


配布元:妃月





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赤司様って三軍の練習メニューまで考えてないか…


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