三和櫂三和


「かーい」
「三和か」


櫂が次の授業の準備をしていると、知っている声が聞こえ顔を上げた。
昼休みや放課後は基本的に一緒に行動している(着いてきている)三和だが、授業準備の10分休みに櫂の元を訪れるのは珍しかった。


「何の用だ」
「実はさー次の時間国語なんだけど辞書を家に忘れて来ちまってさ。貸してくんね?」


櫂ははぁ、と深い溜め息を吐いて、明らかに不機嫌そうな顔をした。


「…ロッカーにも置いてないのか」
「探したって!でもないんだよ…」


苦笑しながら頼み込む三和に櫂はもう一度溜め息を吐くと、仕方なく辞書を渡した。


「…!サンキュー!櫂!帰りに絶対ブースターパック奢るから」
「…別にいい」
「えっ、櫂、」
「だがその次は俺が使うから次の休憩時間に絶対返しに来いよ」


ぶっきらぼうに言う櫂に三和はおう、と答えにこにこと微笑みながら教室から去っていった。







次に会う口実を作ったのはどっち?







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友人に頼まれた三和櫂を加筆修正したやつ。
櫂三和っぽい気もする。


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