黒子テツヤの盛大な告白


あっ青峰くん!!聞いてください!赤司くんがですね…っ!ボクなんかに笑いかけてくれたんですっ!えっ?赤司くんが笑うなんていつも?むしろ怖い?なに言ってるんですか、そんなのキセキの皆さんだけですよ、それに怖いわけがありません。だってすごく優しいとろけるような笑顔だったんですよ!こっちがとろけるかと思いました!もうボクこれ以上赤司くんのどこに惚れればいいのかわかりません……。え?どうしたんですか?あ、そうだ!あとですね、赤司くんが調理実習で作ったというクッキーをくれたんです!クッキーですよ!?これが美味しくて美味しくて…っ!毎日食べたいと思いました…赤司くんほんとう何でも出来るんですねえ…。何でも出来るといえばですよ、この間赤司くんに数学の授業で分からなかったところを聞いたら教えていただいたりもしたんです!教え方が上手くて、正直先生よりわかりやすかったです!ええと、こう言っては悪いんですけどね…。はあ…赤司くんみたいにかっこよくて、バスケがうまくて、勉強も出来て、みんなからの期待も高くて、お金持ちで、努力を怠らないようなしっかりとした完璧なひとはどんな女の子を好きになるんでしょうね…。赤司くんにぴったりの方、ですか…世界中のどこかにはいらっしゃいますよね…、いなかったらいいのに、なんて…。例えいなくてもボクには到底手の届くようなひとでもなければ、友人でも隣にいるのすら相応しくないのに…。うう…なんか泣きたくなってきました…本人に言わないならせめて今言わせてください!すきですあいしてますあかしくん…うううう〜〜青峰くんっ、ぜったい秘密ですから、ね………あれ?そういえば最初の方のふたこと目辺りから青峰くんが一切喋ってない気が…………え?え??え???あの、幻覚でなければ青峰くんの横にいるのは赤司くんですか????えっといつからそこにいらっしゃったりしてたのかお聞きしたかったりするんですが。え?ボクの日本語おかしい?すみませんそうでしたかそうですかボクが青峰くんに話し掛けたときからいらっ…しゃ…………………ああああ…!!!!!!う、うそですそんなということは今喋ったこと全部聞い……!!???わあああああごめんなさい!!!!!!!!!!


見たこともないような速さで教室から出て行った黒子をぽかんと呆けた表情で見送った青峰は、隣からにじみ、いや溢れ出る真っ黒なオーラにすぐさま口を閉じ全身に滝のように大量に冷や汗をかいた。
赤の帝王は先ほど黒子が言っていたような清々しさを感じさせる笑みを浮かべながら青峰の肩をぽん、と軽く、本当に軽く叩いた。そう、軽くだ。それなのに何故青峰の肩は何トンもの重さを乗せられたらような重みを感じるのだろうか。

「青峰、ひとつ聞きたい」
「イェッサー!!何なりとお答えいたしましょう!!!」
「うん。いい返事だね」

おや、少しだけ赤司の機嫌が…?
希望を持って青峰がそっと赤司の機嫌を窺うが。

「あんな可愛い黒子を今まで何度も見てきていたのかい?そして何故俺に何も言わなかった?」

全く機嫌がいいとはいえない状態であった。
魔王様質問が二つです、なんて言える勇気もスキルもなく俯いた青峰は「…スミマセンデシタ」としか謝る術しか持っていなかった。

「素直な謝罪に免じて明日のメニューは三倍で許してあげるよ」
「なっ…!!?」
「七倍?」
「ワーイダイキサンバイウレシイナー」

ちゃっかり置き土産とばかりに青峰の翌日のメニュー三倍にした赤司は上機嫌とばかりにゆっくりと教室を出て行ったのであった。


(赤司がテツのこと好きだって知ってたら黙ってたりしなかったっつーの…!!)
(さて、両想いと知ったら黒子はどんな反応するかな…)
(赤司くんに聞かれたとかもうしぬしかないですね)




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