赤ショタ黒02


!前回の続き
!中学生赤司くん×ショタ黒子っち
!血の繋がってない兄弟パロ





「じゃあ学校行ってくるから。テツヤはいい子でお留守番してるんだよ」
「はい!いいこにしてます」
「行ってきます」
「おにいちゃん、いってらっしゃい!」


今日も変わらず征十郎は弟、テツヤの笑顔で送り出される。
テツヤは年に合わずあまり我が儘を言わない子どもだった。とある事情でテツヤを引き取って最初の方は何も言わないテツヤを征十郎はもの凄く心配して、もしや自分は嫌われているのかと考えたこともあったが、テツヤは寂しくなると黙ってくっつきたがるということに気付いた征十郎は今や安心して好きにさせている。
というか、テツヤがくっついてきた日には存分に甘やかしている。自分も相当ブラコンだな、とは思うが可愛いものは可愛い、と征十郎はいつしかブラコンであることを否定するのを諦めた。


「早く帰ってテツヤに抱きつきたい…」


家を出て数分で早くも征十郎が無意識に呟いた言葉からは征十郎がブラコンとしか受け取れなかった。
しかし生憎今はツッコむ者などいなかった。


***


「なあ真太郎」
「…なんなのだよ」


昼休み、食堂の一角に征十郎とその仲間たちはいた。
赤司征十郎を含む帝光中学のバスケ部一軍レギュラーは皆からキセキの世代と呼ばれていた。その天才集団はというと、今は腹を満たすのに忙しなく箸を動かしていた。
征十郎も例外ではなく、細身ながらもスポーツをやっているからか周りの巨大の友人同様に食欲旺盛で定食大盛を食べていたのだが、不意に震えた携帯を開くと、受信したメール。しかも相手は最愛の弟から(ちなみに携帯は過保護な征十郎が持たせた)。
内容は昼食にホットケーキを作ったのだという。上手く出来たから、と征十郎に写メールを送ってくるテツヤに征十郎は危うく味噌汁を吹き出しそうになった。もちろん原因はテツヤが可愛すぎるから。


「どうしてこうも僕の弟は可愛いんだろうか」
「知らないのだよ」


一番テツヤについて聞かされている緑間真太郎はいつものことと気にせずとんかつを口にした。


「なになに、何の話っスか!?」


話に興味を持ったのは黄瀬涼太。いちごみるくをズコーと吸いながら身を乗り出す。


「涼太は駄目だ」
「なんでっスか!!」
「なんか危険そうだ」
「だから何の話なんっスか!!」
「テツちんのことだよ〜赤ちんの弟くん」


昼食はとっくに平らげたようで、すでにお菓子をハムスターのように頬張って黄瀬の質問に答える紫原敦。
まあ名前ぐらいならいいか、と征十郎は携帯に視線を落とした。


「赤司っち弟クンいたんスか!!?」
「そーいや黄瀬だけ知らなかったな。っつってもオレらも名前しか知らねェんだけど」


眠そうに欠伸をかますのは青峰大輝。


「オレだけ知らなかったとかずるいっス〜」
「よし」


テツヤに返信した征十郎は満足げに携帯を閉じると、食事を再開した。帰ったらテツヤを褒めまくろう、と決めた征十郎は、横で緑間が「赤司、にやけるんじゃないのだよ」と言っているのがちっとも聞こえていなかった。







お昼時


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