赤ショタ黒03


!三話目
!中学生赤司くん×ショタ黒子っち
!血の繋がってない兄弟パロ





部活に自主練、当番だった体育館の鍵締めを済ませた征十郎がようやく帰路についていると、ふと道端にあるファストフード店、マジバーガーが目についた。いつもならばテツヤの待つ自宅へ一秒もはやく帰ることに専念するのだが、今日ばかりは何故だかバニラシェイクを欲しがるテツヤの顔が頭に浮かんだ。こういうときの征十郎の勘は無駄に当たるので馬鹿に出来ない。とんだブラコンセンサーである。

(…最近は頑張ってるみたいだし、いいかな)


***


「ただいま」
「おにいちゃん、おかえりなさい!」
「テツヤ」

玄関を開けてすぐに笑顔で出迎えたテツヤはすぐに征十郎にぎゅう、と抱きしめられる。それに応えるようにテツヤもそのちいさな腕をせいいっぱい征十郎に回す。

「あれ?このふくろはなんですか?」
「あぁ、これ」

いつもなら持っていないそれに目を向けたテツヤは征十郎に質問をする。それに征十郎はにこりとやさしい笑みを浮かべて答えた。

「バニラシェイクだよ。テツヤに買ってきたんだ」
「お、おにいちゃんすごいです…!ぼく、きょうすごくのみたいなっておもってたんです!」
「そうか、それは良かったよ」

――やっぱり。
テツヤがマシュマロのようなほっぺをりんご色に染めて喜ぶ姿に、征十郎は自分の勘を信じて良かったとかみしめた。

「はやくれいぞうこにいれましょう!とけてしまいます!」
「ふふ、そうだね」

冷蔵庫のあるリビングを指差すテツヤの言うとおりに、征十郎はテツヤを抱えたままリビングに足を向けた。


***


夕飯のオムライスを食べ終え、待ちに待ったバニラシェイクをデザートに飲み干したテツヤは、征十郎とともに風呂場へ向かった。
そのときに母親から、今日のテツヤちゃんのパジャマ楽しみにしててね、と微笑まれ、首を傾げたのだが、こういうことだったのか。征十郎は口元を覆った。
にやけるのをごまかすために。

「うさぎ耳付きパーカ…」
「おにいちゃん、どうかしましたか?」

こてん、と首を傾けられれば必然的に、被っているフードも傾きうさぎ耳が揺れる。
その破壊力、抜群。

「テツヤ…っ!可愛い!」
「わっ」

だから征十郎がたまらず強く抱きしめたのは不可抗力だった。
征十郎は母親に心からの賞賛を送った。
そしてその母は自分の息子たちの姿を愛おしげに見つめつつ、しっかりとカメラにおさめるのだった。赤司家のアルバムは日々増えているのである。

「おにいちゃんぼくねむいです…」
「じゃあ寝ようか」
「はい…」







就寝


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