My happy life ! | ナノ




マグマトロンとその部下達が任務から帰還した。
アンゴルモアカプセルを寸前で奪われ悔しい思いをしていた彼等だったが、マグマトロンはそんな暇も無くとある一室へと向かった。


「……。」

「そう妬むなガイルダート、美しくない。素直に祝福してやれば良いじゃないか。」


セイバーバックの指摘は尤もだ。
しかし、こうも主をあの同期に取られてしまう等ガイルダートには堪え難い事だった。
未だに無言を貫く彼に呆れ、セイバーバックは溜め息を吐き出す。


「全く…。」

「…な、何を…。」

「エネルゴンワインを馳走してやるから機嫌を直せ、嫌なら断っても良いが?」


ガイルダートが部下の厚意を無下に出来る様な性格では無いと知りつつ、セイバーバックは誘ったのだ。
悩んだ末にガイルダートは彼の後に続いたのだった。






そして、その頃のマグマトロンは部下であるハイドラーが居る個室の中で彼女の隣に座っていた。
恋人の幸せそうで柔らかい笑顔、彼女は主の子供をその腹に孕んでいる。
労る様に其処を撫でるマグマトロンの方を向き、恐る恐る唇を動かした。


「任務でお疲れでは?俺は大丈夫ですからお休みになられた方が…」

「疲労等お前の笑顔を見た瞬間に吹っ飛んだ、心配は要らん。」


本当は疲れているだろうに…。
ハイドラーはどうにかしてマグマトロンに休息を取って貰えないか、思考を巡らせていると不意に彼は彼女の唇を塞いだ。
仄かに染まる頬に手を添えながら、マグマトロンは穏やかな表情を見せた。


「母胎に障るぞ、お前には元気な子を生んで貰わねば困るからな。」

「…貴方の、ご子息…」


歓喜でスパークが破裂してしまいそうだ。
出来れば性別は男の方が良い、何れ主の後継者となって貰う為にも。
ハイドラーも自ら小さく、柔らかい唇をマグマトロンのそれへと押し宛てれば、応えてくれた主に恍惚とした表情になる。


「っ、ん…マグマ、トロン…様…」


母胎に影響が無い様に優しく抱擁してくれる主の逞しく魅力的な胸元に体を預け、ハイドラーは首筋に顔を埋めた。
こんなにも幸福な日々ならば何時迄も続いて欲しい、子供だって何人でも作りたい。
僅かに膨れている腹に置いていた手に重なる様に、大きな主の手が置かれた。


「……。」


矢張り疲労が溜まっているのだろう、ハイドラーの傍らで安堵した事もあってか酷く眠そうな様子である。
同時に抱き寄せられた為、一緒に眠りたいのだとハイドラーは気付いた。


「…お休みなさい、マグマトロン様…。」


二人は深い眠りに着いた。
お互いと、これから生まれて来る子供を想いながら―――…




fin.


2011/11/19


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