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「吾郎..」

「?妃」

サッカー部の部室まで行けば何やら話している吾郎ともう一人。

「小森は?」

「帰っちゃった、」

そう言い吾郎の胸元におでこを付ける妃。

「おい、本田?誰だよその可愛い子」

親しそうな吾郎と妃にしびれを切らしたのか吾郎の肩を掴み問いかける。

「あぁ、そっか沢村会ってなかったな」

そっと凭れ掛かる妃を離し男子、沢村の方に向ける。

「従兄妹」

「八尋妃です」

「沢村涼太..て従兄妹!?」

「さわむら…あ、リトルの!」

沢村に向けていた顔を吾郎の方に向け、笑顔で言う妃。

「あ、そういえばね、清水さんに会ったよ」

「げ、清水?」

「なぁに?何かあったの?」

清水の名前を言えばあからさまに嫌そうな顔をする吾郎を見て妃は問いただす。
返ってきた言葉は喧嘩した、だった。

「もー、折角の再会になにしてんのよ吾郎は!」

文字にすればぷんぷんといった感じで両手を腰に当ていかにも怒ってますよ、という風に。
正直可愛らしいだけでちっとも怖くない。

「何の為に私がついて行かなかったと思ってんのよ」

そう。
実は妃、清水に会いに行くという吾郎について行きたかったのだ。
それは純粋に会ってみたいというのもあったが、成長した清水の姿に吾郎が惚れてしまうんじゃないか、という心配があったのだ。
そんな思いを我慢して久しぶりの再会をさせるため、吾郎1人で行かせた。

「悪かったって、な?そう怒んなよ」

頭一つ分はゆうに小さい妃の頭をポンポンと撫でる。
そんな吾郎の姿に驚いているのが沢村だった。
そんなキャラじゃなかっただろ……と。







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