「付き合って下さい!」



淡い桜も散り終えれば、瑞々しい葉が芽吹くように、人の心にも恋の芽が…
って、んなわけねぇだろ。

「はぁ?」
「すっ、好きです!」
「いやいやいや」
「ずっと前から、俺っ」
「やかましい!」

深々と下げられた頭に真上から踵落しをお見舞いして俺はそのまま屋上を後にした。
細かい事は気にしない。
春だし変態がわいたんだろ。

「――――さいっ!ま、待って下さい!!」
「うお!」

乱暴に屋上のドアが開いたと思ったらソイツは勢いよく、――――飛んだ。

「っ、ぶねぇじゃねぇか!人に向かって飛んでくんじゃねぇ!!当たったらどうしてくれんだ!」
「い゛っだぁぁあ゛」
「ああ゛?壁に突っ込んだのは自業自得だろうが、んな目で人を見んじゃねぇ」
「抱き留めて欲しかった」
「ふざけろ」

頭を後から蹴ってもう一度壁に突っ込んでやった。
なんだろコイツ。
Mとかだったらマジでやだ。

「い゛だぃっす」
「だろうな、鼻血でてんぞ」
「う゛ーっ」
「言っとくけど鼻血は上向いても止まんないからな」
「え?ぁ、っ!血の味が!」
「うわ馬鹿」
「あっ先輩待って」
「顔洗って出直せ」


つーか二度と来んな。






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