「………っん」

ねっとりとした不快感に目を醒ますと、そこは見知らぬ部屋だった。

「どこだ、ここ…?」

未だにぼうっとする頭と、さっき程じゃないにしろ燻る熱に俺は眉をしかめる。
けだるい身体を引きずって起こそうとしたが、冴えない頭で二つの事実を理解した。
一つ目、最悪な事に俺はスボンを…勿論パンツも履いたまま吐精している。
どうやら俺はこの不快感で目覚めたらしい。

そしてもう一つ。

「誰の趣味だってんだ」

おもちゃとは言い難い手錠がベッドの上部と左手、さらに左手と右手と二つつけられている。しかも革製。

「あ、起きられたんですね」
「…やっぱりてめぇか」
「月足っすよ!」

未だに制服姿ってことはあれからそんなに時間は経ってないのかもしれない。
状況からいけばここはヤツの部屋なんだろうが…

「月足、これ外せ」

手錠ごと手を持ち上げれば月足はなんとも言えない顔をして、首を横に振る。

「絶対いやっす」
「ころされてぇか?」
「どうせ殺されるなら俺だっていい目みたいっす!」

うわ、馬鹿だ。
言ってる事もやってる事も馬鹿丸出しだが、俺にとっては最悪な話の方向だ。

「さっきアイツがあろうことか先輩にチンポをしゃぶらせようとしていました!」
「…………」
「だったら俺にだってサービスしてくれたっていいじゃないですか!俺だって先輩のチンポがしゃぶりたいんです!」
「いっぺん死ね!!」

まじで!テメェのイカレタ頭じゃどうなってんのかしらねぇが俺はサービスなんかしてねぇっつの!

「俺っ、先輩を舐めまわせるなら本望です!もう死んだっていい!」
「ふざけんな、勝手にくたばれ!俺に指一本でも触んじゃねぇ!」
「……ゆ、び?」
「あ゛ぁ゛っ?指一本触んじゃねぇっつってんだよ」

月足はポンと手を叩くと何を納得したのかベッドの横にひざまづき……俺の足へ手を…

「ちょっと待て!テメェ何考えてやがる」
「いきなりしゃぶるなんて失礼じゃないっすか!ちゃんと足先から…」
「ちゃんとってなんだ!ちゃんとって!」
「や、順番的に…?」
「疑問形じゃねぇか!」
「先輩って結構細かい事にこだわるタイプっすか?」
「野郎に舐めまわされるののどこらへんが細かい事だってんだ!大事だろうが!」
「大丈夫です、舌に性別はありませんから」
「ふざ――――あっ…!」

靴下を脱がされると踝辺りにヌメッとした感触が這う。
本気で舐めやがった!?





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