灰田 壱(ハイダイツ)

窓際の席の三番目。
窓際一番後の俺の二つ前。
(因みに俺の前は雑賀)

確かに同じクラスだ。
今まで雑賀以外と関わりが無かったし、あんまクラスにいなかったからな…。

「おはよ、美月聞いたよー」
「あぁ?なんだよ」
「彼氏出来たんだって?もう今日学校中の注目の的なんだけど、まじで」
「あー」
「否定しないってことはホントにホントなわけ?びっくりなんだけどー」
「まぁ」
「しかも灰田!」
「しかも?」

お前灰田知ってんの?
まぁ、同じクラスみたいだし知っててもおかしくはない…ん?知らない方がやべぇのかこの場合。

「何言ってんの!灰田と言えば美月の影の親衛隊、美月に近付く奴らをことごとく潰してきた悪の親玉!暴力の使い所を間違っちゃった可哀相な男じゃん」
「‥‥‥‥」
「あれ?なにその顔、知らなかったの?」

知らなかったの?つーかなんでテメェは知ってんの?
いや、確かに昨日は月足シメてたからある程度は予想はしてたっつーか親玉?
親玉ってあんな前衛に出て来てシメんもんなんだな。

「ふぅん」
「うわまじで興味ない系ー?美月感じわるーぃ」
「実際、興味ないし」
「自分の彼氏が悪の親玉ってかなり面白いじゃーん」
「やめてくれ」
「あ、灰田!」
「どーも」

現れた灰田は確かに注目の的だったが、本人はまるで気にならないかのように堂々と現れた。

「悪の親玉なんかに俺の美月はあげないんだから!」
「雑賀のじゃないだろ」
「俺のだよ!」
「ちげぇよ」
「まぁいい、美月、あんなのは担ぎ上げられただけだ」

それだけ俺に告げると、灰田はあっさりと自分の席へと座ってしまった。





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