「…無理なのだよ」





「…え?」

彼が珍しく部活が無いというので、今日は久しぶりにデートをしていた。

そーゆー雰囲気になったもんだから、思い切って言ってみた「キスしよ」って。


でもそんな私の勇気は儚く散った。彼の「無理」の一言によって。


「勘違いするな。別に名無しが嫌いと言う訳では無いのだよ」

「じゃあなんで?」

「…」



何故か彼は訳を話そうとはしてくれない。

そんなに嫌なのだろうか。


流石にショックで気が遠くなりそうだよ…


「…来週、部活休むからまたデートするか。そしたらキス、できるのだよ」

「…なんで今日は駄目で来週は良いの?」

「だから…」

やっぱり口篭る。

「もう、良いよ」

久しぶりのデートで楽しかったのに一気に冷めた。


「まて、名無し」

私は帰ろうとして、彼に止められた。

「何?」

「む、虫歯…なのだよ」

「は?」

「だから…キス出来ない理由だ!俺は今虫歯があるからのだよ!…来週には…治ってる」


聞けば、明後日歯医者に行くことになっているのだという。

私に変な迷惑はかけたくないらしい

「これで名無しが何か変な病気になったら大変だろう?」

「でも虫歯くらいなら平気だと思うけど…」

「甘いのだよ。口の中にはただでさえ菌が沢山あるというだろう」

「やめてよ、キス出来なくなる様なこと言うの…」


でも、真太郎らしいな、って思った。

それに私を気遣ってのことなのだから尚更嬉しいって思う。


「でも私、今日したい!」

「我が儘なやつなのだよ。俺が我慢してやってるというのに」


はあ、と彼の溜め息が聞こえた後、優しいく彼の手が私に触れた。










(相変わらず素直じゃない)
(お前は素直過ぎるのだよ)




__________

言って居ませんでしたが、この企画は甘いの書くリハビリにキスが入る夢にしてるんですが、、、

キスにこだわりすぎて、二人ともキスキス言ってるだけの話になっちゃった…(^^;)

今回はただの変態ヒロインかつ変態真ちゃんによる変態話になりましたね(笑)


てか結果的にこの夢、キスしてないや!







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