だって暇なんだもん!




「和成ー、暇?」








だって暇なんだもん!




「いやいやいや…暇、…な訳ないっしょ!?」


特に何も無い休日。テスト前な訳でも無いし、部活があるわけでも無い。(そもそも部活には入っていないのだが。)

だからといって友達も皆、彼氏といるか、部活か、だ。


だが、私は何もすることが無い、要するに暇人なのだ。

だから、恐らく部活中であろう彼氏の高尾和成に、半分以上意地悪な気持ちで迷惑電話をかけてみたのだ。


で、帰ってきたのはさっきの台詞。


「ねー、私今暇なんだけど」

「知るかっ!…忙しいから切るぞ」

「待った待った待った!ちょっと!彼女が一人淋しい時間を過ごしてんだよ!?彼氏として何か無いの!?」

「だから知るかっ!他当たれ、他!!」

電話越しからはピーっという休憩時間終了の合図の笛の音と召集の声が聞こえた。

成る程、部活中の筈なのに電話に直ぐ出れた理由は休憩時間だったからか。


「あー…、召集かかったから俺、もう行くぞ?」

「えぇっ!?ちょっとーっ!」

「…じゃあ、また後でな」


その言葉を最後に、携帯は切られた。

部屋にはツーツーと電話が切れた音が虚しく響いてるだけ。


「っもう…和成め…」

次会ったら容赦しないんだから と心に決めて、本当に何もすることが無くなった私は仕方なく、睡眠をとることにした。







**********

ピンポーン

家のチャイムの音が聞こえた。

私はその音で起きて、ハッとした。 時間を見ればもう夜だ。いつの間にやら、随分と眠っていたらしい。

ピンポーン
ピンポーン

私が中々出ないからか、チャイムを連続で押された。

慌てて私は玄関に行ってドアを開けた。


そして、訪ねてきた人物を見て、少しの瞬間固まってしまった。

だって、訪ねてきたのは…



「和成!?…どうしたの?こんな時間に…」


私の第一声に 彼は軽く溜め息をつき、それから

「さっき電話でまた後でって言ったろ?」

と言われた。


手を見ると、そこにはコンビニの袋がある。


「明日は珍しく部活が無いんだと。…だから今日は付き合ってやれ無かった分、オールして付き合ってやるよ」



ニッとニヒルな笑みを浮かべて言う彼に、私は嬉しくて抱き着いてしまった。







だって暇なんだもん!
(寝ておいて正解だったね!)
(は?…てか、そういや俺部活後だから超眠ぃーんだけど。)
(オールしようって言ったのそっちなんだから寝ないでよ!?)






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書くこと無いので今の気持ちを、題名に←

これを書いた理由は二つです。

一つ目は、先の通り暇だったからです。

二つ目は、皆様ご存知であろう大震災。
被災された方々に、御冥福をお祈りします。
一方で、一日でも早く日常に戻れますように。

失礼かも知れませんが、暇が出来る程に回復されることをここにお祈り申し上げます。




2011.03.21(Mon)