お正月騒動




「ねえ!お正月だよ!皆んとこ、行こうよ!」





お正月騒動





時は年始、新しい年を迎え、なまえは眞魔国の皆にも挨拶しに行こうと有利と村田に頼んだ。


「良いじゃん。年の始めの挨拶は大切だよな」

有利は私の意見に大賛成のようだ。

それじゃあ早速、と張り切ってなまえと有利が水に飛び込もうとすると村田が慌ててストップをかけた。

「村田くん、何?」

「全く君達は…。」

止められた理由は勿論解らず、止めた本人に尋ねると、村田は大きく溜め息をついた。


「新年の挨拶が大事なのは認めるけどさ。…良く考えてよ。こっちの世界とあっちの世界じゃ、時間軸が違うだろう?
行った所で意味が無いね。」

「あっ…。」

村田の説明で理解したなまえと有利は、ほぼ同時に声を上げた。


「…じゃあ、行っても意味無い、か」

有利が少し残念そうに呟く。そんな彼を見てか、村田は言葉を付け足した。


「ま、ウェラー卿とかこっちの世界の事詳しいから解ってるかも知れないけどね。」

確かに有り得そうな事だ。…その話しを聞いたギュンターとか、張り切ってそう…


「…お年玉、くれるかな!」

「なまえ、さすがにそれは…」

「うん。俺も無いと思う。」

「あ、その前に二人からお年玉貰ってない!」

「いや、あげないし…」


私の囁かなお年玉と言う名のお楽しみはすぐに否定された。



しかしそんな想像してたら、眞魔国の皆に会いたくなってきてしまった。

「…もうさ、どっちにしろ、行かない?」

なまえの質問に村田は仕方ないなというような顔をして、眞魔国に行くことを認めてくれた。


それは良かったのだが。


「…てかさ。今、真冬だね。」

「確かに。水に飛び込むとか、自殺行為だよな…」

「うん。拷問だね…と言うよりなんで二人とも冷水から行こうとしてるの?…風呂とか暖かい水から行けば良いじゃん。」

「あっ…」

本日二度目のなまえと有利のハモり。





無事に眞魔国に着くまでにはまだまだかかりそうだ。




お正月騒動
(明けましておめでとう!)