あおいそら

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uno

愛を捕まえろ!

 気がついたら私は2度目の人生をイタリアで過ごしていた。
 …しかも下町の薄汚い所での生活で、母と二人なんとか生きつないでいた。
 そんな中、母の熱いススメで学校に入ることになった。
 とは言っても一番学費が安いところで…マフィアやそういった関係が多く通う学校で、ちゃんと授業とか色々大丈夫なのか心配ではあったが…とにかく、字とかを学んで欲しいようだった。



 そして入学してみて分かったのは、無法地帯だってことで…身を守るために、私も武器を持たなくてはならなかった。
 とは言っても、お金のない私に準備できたのはフォークだった。
 まぁ、その辺にあって安価で大量に準備できそうなのがコレくらいだったからなんだけど…あえてナイフじゃないのがミソ。

 ともかく、毎日大量のフォークを所持して学校に通っているんだけど、そこで私は一つ事実を知ることになった。

「…はぁ、危なかった」

 ズタボロの身なりで息も絶え絶えに教室に入ってきた彼――ディーノの存在である。
 入学当初は自分のことで精一杯で全く眼中になかったが…色々落ち着いて視野が広くなったことによって、ようやく私の視界に入ってきたのだ。ディーノとその家庭教師・リボーン(大体何かしらの変装という名の着ぐるみ着ている)が。
 何が言いたいかって言うと、"あ、私REBORN!の世界にリボーンしちゃったのかー"ということだ。
 …あぁ、巻き込まれたくない。



 そう思っていた時期が私にはありました。

「う゛お゛ぉい!弱ぇなぁ!」

 ノーマークだったスペルビ・スクアーロの殺人現場に遭遇してしまいました。
 そびえる死体の山、そして血だまりの中立ち尽くす、返り血を浴びた彼。
 偶然逆光で、顔が全く此方から見えないっていうのが恐怖をより引き立たせてくれている。…いらないけど。

「…誰だ!」

「ヒッ」

 此方に気がついたスクアーロがゆっくりと此方に近づいてくる。
 恐怖で声が漏れると同時に、学校で培われた咄嗟の反射で腰に装備していた大量のフォークをばらまくように投げつけ、相手の動きが一瞬止まった隙を見て全力ダッシュで逃げた。
 …後ろなんて怖すぎて振り返って確認できなかった。



「う゛お゛ぉい!
 …これはお前のかぁ!?」

 教室にスクアーロがやって来たかと思うと、私の前にツカツカと歩いてきて…机の上に私が昨日投げつけたフォーク6本が投げ出される。
 わぁ、なんで分かったんだろー。と遠い目を思わずしてしまう。

「わ、私のです…」

 が、鋭い眼光に負けてボソボソと俯いて呟くと、何故か頭をガシガシと撫でられた。
 キョトン。と顔を上げると、笑顔のスクアーロと目が合った。

「もっと自信もてぇ…良い攻撃だったぜぇ!」

 …褒められてしまった。
 思わず顔が赤くなるが…いや、私暗殺とか殺し家業する気とかないから!とハッとする。
 そうやって百面相をしている間に気が済んだのか、スクアーロは去っていた。
 一体彼は何しに来たんだろう…机の上に転がるナイフを拾い上げ、首を傾げた。


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