あおいそら

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何しに来たんですか

 あの島左近との初遭遇以来、なにかと理由をつけられて一緒にお茶するようになったんですが…。
 気に入られたのかは分からないけど、三成よりは喋りやすいし、気安く話せる感じにはなった。
 けどね、まさかこういう展開が待ってるとは思ってないわけで。

「あ、クコちゃん」

「おはよー。
 左近、ご飯粒ついてるよ?」

「うっそ、マジかよ」

「あはは、だっせー」

 遭遇した左近は朝食後だったらしく、顔にご飯粒をくっつけていた。
 ぷぷぷー!と笑いながらもご飯を摘まんで取ってあげると、左近にお礼を言われた。

「貴様ら何をしている」

 私の背後から聞き覚えのある声がした。
 なんだか、怒ってらっしゃる様子で目の前の左近の顔色が一瞬で青くなった。
 振り向きたくないけど、背後にいるのは私の上司なわけで…いつまでも尻を向けているわけにはいかない。
 意を決して後ろを振り返る。

「お、おはようございます。三成様」

 ギギギという音が聞こえそうな動きでゆっくりと振り返って、三成に頭を下げる。
 こういう時、頭を下げるのって便利だと思う。顔見られなくて済むからね!なんて思っていると、もう一度同じ台詞が発せられた。
 …何をしていたかって聞かれても、ねぇ?

「あ、俺、用事思い出したんで失礼しまっす!」

 逃げた。左近の野郎にげやがった!
 どうせ逃げるなら私も連れて行って欲しかったよ、まぁ無理だろうけど。なんて思いながら、表情の読めない三成の顔を見ているようで、見ない感じで渋々口を開く。
 なんかよくわからないけど…左近、貴様も道連れだ!出来るかどうかは分からないけど。

「えっと、左近に会ったので話をしていただけですが…?」

 言った瞬間にイラッとした表情をした三成は、無言で立ち去った。
 いや、本当に何しに来たんですか?


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