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▼ Sandwich
「あれ、雨草さん?奇遇ですね」
ニコニコと笑う安室さんと遭遇したのは…本屋。間違ってもポアロではない。
まさかこんな所で遭遇するとは思ってなかったので、もしかして偶然を装って…?と邪推してしまうのは仕方が無いことだと主張する。
「…そうですね。
えっと、安室さんもお買い物ですか?」
「えぇ、気になっていた本の新刊が発売されたので」
安室さんは持っていた本を私に見せてくれた。…確かに、テレビでも"近日発売!"と宣伝されているミステリーの下巻だけど、有名すぎて怪しいだなんて…考えすぎだろうか?
何てことを考えてる事を馬鹿正直に言うつもりもバラすわけにもいかないので、表情を取り繕いつつ、面白いんですか?と聞いてみた。
「なかなか面白いですよ。
…もしよければ、お貸ししましょうか?」
「えぇ、是非」
超気になっていた小説だったので、うっかり肯定してしまったが…後悔はしていない!
今、安室さん云々より小説をいつ借りれるのかが気になっているくらいに。
「では…明日ポアロに持って行きますね」
「はい、明日楽しみにしてます!」
「えぇ、その際に是非サンドイッチでも食べていって下さいね。
今、人気なんですよ」
雑誌にも載りましたし。と突然ポアロの宣伝?をした安室さんに、噂のアムサンド!?と少し興奮しつつ、また明日と安室さんと別れた。
…なんかハメられた気もするけど…明日が楽しみだ!
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