あおいそら

<<   >>

最悪な出会い

 気がついたらポケモンが徘徊している世界に突っ立っていて、隣にはトリミアン。
 くっそかわいい!…じゃなくて、え?ナニコレ。
 あわてて色々確認する。
 私の服装は動きやすそうなズボンにTシャツにスニーカー、髪も異常なし。
 1つ異常があるとすれば…このカバンの中のボールとカードは何ですか?
 警戒しながらボールを見る。どう見ても普通のモンスターボール。
 スーパーでもハイパーでもない普通のヤツ…それと10個買うと1個もらえるプレミアボール?がいくつか混ざっている。
 …そしてこのカード。
 何故か私の顔写真と名前入りの、トレーナーカード。
 財布の中身もおかしい額が入っている。

 うわぁ、なんて思いながらそっとカバンにしまうと、隣のトリミアンがジッとこっちを見つめているのに気がつく。

「どうしたの?」

「わふわふ!」

 声をかけると、待ってました!とばかりに飛びついてきた。
 もしやこの子は…私の手持ちの子なのかな。
 トリミアンってことは…どこ?
 とりあえず今後どうしようかと考えながら、トリミアンをお供に歩き始めた…のが始まりだった。

 今では、相棒のトリミアンで無双しながら賞金を稼いでポケモンセンターで寝泊まりする…そんな日々を過ごしている。
 そんなわけで、ライモンシティに到着した。
 ココは娯楽施設が沢山あるから、カモじゃなくて…良い餌でもなくて…沢山トレーナーがいそう!
 キョロキョロしながら歩いていると、ウッカリ人にぶつかってしまった。

「すみません!」

「ん、あぁ…気にするな。
 見たところ、あなたもトレーナーのようだな…私と勝負して勝ったら許してやろう」

 エリートトレーナーのお兄さんにぶつかったかと思うと、この言い方…腹立たしい!
もうこうなったら、トリミアンでギッタギタにしてあげるしかない!
 ということで、"おんがえし"でお兄さんのココロモリを一撃で沈めてあげた。

「ぶつかってすみませんでしたぁー。ふふん」

「…くっ、私が負けるなんて!」

 悔しそうなお兄さんから賞金をうば…受け取って、足取り軽く歩き始めた。



<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -