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▼ Neapolitan
珍しくお昼時にポアロにやって来た私は、いつも通りの場所を陣取った。
なんだかとってもナポリタンが食べたい気分だったから来ただけで、別に安室さんに会いに来たわけでは…断じてない。
だけど何故かやたら絡んでくる、安室さん本人。…なんの嫌がらせだろうか?
「こんな時間にいらっしゃるなんて、珍しいですね」
「…ナポリタンが食べたい気分だったので」
にこやかに言う安室さんから視線を少し逸らしながら告げると、飲み物はいつもので?とこれまたにこやかに告げられる。
なんだか安室さんにミルクティー好きだと思われている気がする…。
「…いえ、今日はオレンジジュースでお願いします」
なんとなく見ていたメニューを渡すと、かしこまりました。と微笑んだ安室さんは私のテーブルから離れていった。
今日も当たり前のようにいる安室さん目当ての客…アムラー?が嬉しそうに安室さんを呼んで注文している。
そして恒例の行事、安室さんに今日オススメを聞いたりして会話を長引かせ…あわよくば少しでも個人情報をゲット出来ないかと狩人さながら虎視眈々と狙っている…のである。こわぁ〜。絶対に敵に回したくない〜。
そんな感じで今日も楽しく人間観察をしながら待つこと数分、安室さんが厨房からナポリタンとオレンジジュースを運んできた。
安室さん狙いのお姉様方はナポリタンなんて注文するわけがないから…私のだ!
「お待たせしました、雨草さん」
「ありがとうございます」
思った通り私のだったナポリタンを受け取って、フォークでくるくる巻いて食べると、どこか懐かしい味がして…とても美味。
…また今度ナポリタンを食べに来よう、安室さんの居ない日にでも。
そう思っている間に、一旦離れてお客のお姉さんに珈琲の追加を注いでいたハズの安室さんが私のテーブルに来ていて…どうですか?と食べた感想を聞いてきた。
「…おいしいです」
「えぇ、是非また食べにいらして下さいね」
おいしくて当たり前。といった表情の安室さんは、どこか含みのありそうな笑みを浮かべて厨房へと去って行った。
これはまさか、次回へと繋がるフラグ…?そんなわけないか。
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