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▼ 02
- 運河 - お偉いさんが信じる。と言ってくれてから数時間ほど経っただろうか。
別の部屋に通されて、私についての会議が終わるまで待つように言われ待っている。
もちろん扉の外には兵士が居て、逃げれないようになっている。
そしてわかった事が数点。
ここは蜀だという事。
お偉いさんは劉備という名前だという事。
ついでにここは、真・三國無双だという事。
私は今とてもピンチだという事。
この部屋に連れてこられる際、劉備さまの部下さんたちが猛反対していたのをバッチリ耳にしていた。
これはとてもやばい状況である。
現代では全く想像もしていなかった、生きるか死ぬかが今決められようとしているのだ。
本当はジッとしていられなかったけれど、とりあえず椅子に座り時間と戦っていた。
悪い想像が頭をよぎる。
うわぁあああ、どうしよう。と思わず立ち上がった時、扉が開いた。
「あなたの処遇が決まりましたよ」
音もなく滑りこんできた男は持っている羽扇をひらりと揺らした。
入ってきた男、諸葛亮によると私は殺されるのは免れたらしい。
ただ条件として、誰かの妹になり呉に嫁いで蜀の礎になってもらう。との事。
それにあたって、様々なことを覚えてもらいますよ。だそうで。
もちろん条件を断ったら死あるのみな訳で、断るという答えは私には出せなかった。
「えっと、その…。誰の妹になるのでしょうか?」
恐る恐る諸葛亮に尋ねる。
すると羽扇で顔の半分を隠しこう言い放った。
「趙雲殿です」
趙雲....確か彼は優しい人だったハズ。そう思って密かに安心した。
▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ △ ▼ 騙 さ れ た !
だれだ趙雲が優しいなんて思った奴は....って私か。
趙雲に直接会ったのは諸葛亮が部屋を出たすぐ後で。
明らかに、何故私が。といった表情をありありと浮かべている。
「貴方を引き取ることになった趙雲だ。出来るだけ私に関わらないでもらいたい」
上記が初めて趙雲が発した言葉である。
すっげー刺々しいです。
長身の彼は私を見下しながら睨んでいる…気がする。
もしかしたら元々こういう目なのかも知れないので何とも言えないけれども、良い気持ではない。
「承知いたしました」
イラッとしたものの、衣食住を提供してくれる方なのだと心を落ち着かせて言ったが、少々言葉に出てしまった。
ちなみに、知識などは諸葛亮さまの計らい(?)で月英さまが趙家まで態々来てくださって教えてくださるそうだ。
趙雲は急に扉へと歩き出した。
「後で使いをよこす。そのものと家に帰ってくれ。帰るまでに用意は整ってるだろうからな」
フン。と鼻を鳴らして振り返る事もなくスタスタと部屋から出て行く彼の背中には言外に、私は忙しい。と語っていた。
面倒臭いことになったなぁ。と思いつつ、使いの方が来てくれるまでこの部屋で待つこととなった。
2013/10/29
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