あおいそら

<<   >>

ミナミ

ごちそうさま。

 数日後、ルッスーリアさんが仕事の合間をぬって家へ来てくれた。

「着物がいいって聞いたけど…あいにくイタリアに着付け出来る人がいないの。
 …だからといってはなんだけど、着物ドレスなんてどうかしら?」

 テーブルに広げられた大量の資料の中、ルッスーリアさんは、これとか似合うと思うわ。と一つを指さした。…そしてそれを覗き込むように見るスクアーロさん。
 そのドレスは、光沢のある青い着物の生地をメインにつかった青いドレスで、シンプルだけど着物感も感じられるデザインのものだった。

「いいんじゃねぇかぁ」

「じゃあ、これにしちゃいましょう!」

 スクアーロさんとルッスーリアさんは頷きあい、早速準備!と立ち上がった。…私の意見は一切聞かれずにトントン拍子で進んでいっている。唯一意見が通ったのは着物という点だけ。
 まぁ、決まったドレスは露出度も低く、セクシー路線でもないので文句はないけれど。
 思わず溜め息をつきながら、広げた資料を大急ぎで片付けたルッスーリアさんと、これから仕事があるらしいスクアーロさんを玄関で見送った。

 …こんなにすぐに終わるなら、わざわざルッスーリアさんを呼び出さなくても良かったんじゃないかな。

<<   >>
Bookmark // Bookshelf

- ©2015/11/17/Thu/AOISORA -